リノベーション・スタイル

<71>子ども部屋とミニカーの大収納庫を

  • 文 石井健
  • 2014年6月18日

[Left hand Rule]
 Kさん一家(夫50歳、妻50歳、長女10歳)
 埼玉県朝霞市
 築20年 / 59.56m²
 工事費1300万円

 「子どもが大きくなったので、そろそろ1人部屋を作ってあげたい」。小学生のお子さんを持つKさん夫婦は、住み替えをするか、住んでいる家をリノベーションするかで迷っていらっしゃいました。そんなときに相談を受け、いくつかプランを出しているうちにリノベーションをすることになりました。

 約60m²と3人にしてはコンパクトだったので、まずは廊下をなくし、空間をできるだけ有効利用することを念頭に間取りを考えました。幸いなことに、この家には窓が両脇に四つあったので、空間を真ん中で仕切り、片側の壁の真ん中にキッチンを寄せ、反対側の壁の真ん中に風呂や洗面所などの水回りを寄せました。水回りの両脇に寝室を二つ作り、日当たりのいい方を子ども部屋、玄関側を大人用にしています。

 子ども部屋はせっかくなので「ちょっと面白くしたいよね」となり、思い切って青空をイメージした天井に。ここには大きな梁(はり)があったので、それを生かしてあえて“折り上げ天井”にしました。四角い部屋なのですが、天井はU字型にして空の感じを出しています。内側には本を収納できるスペースも設けました。

 壁をはさんで反対側にあるキッチンの真ん中には、細長いダイニングテーブルを置きました。ガラスブロック部分はすべて収納です。キッチンとリビングの壁もすべて壁面収納。かなり細かく計算して、玄関側には出し入れできるガラスケースの棚もあります。実はこれ、ご主人のミニカーコレクションのケースなんです。

 子ども部屋を作るためのリノベーションでしたが、この膨大なミニカーのコレクションをどうするか、ということも実は大事な裏テーマだったのです(笑)。

 このコレクションケースはもともとあったもので、木の色に合わせて棚や床の色も決めていったんです。ご主人はこのケースにミニカーを収納していたものの、以前は飾る場所がなかったんですね。集めたものが全部箱に入っていて、使うことも眺めることもできない……。コレクターには結構、そういう人が多いようです。

 だからといって、家族がいる場合はなかなか部屋に飾るスペースがありません。当人にとっては宝でも、他人にとっては「何それ?」です。だから、誰が見ても「ステキ!」と思ってもらえるようにしようと考えました。

 このリノベーションにあたって造作したのは、この壁面収納だけじゃありません。机、玄関周りの棚などソファと椅子以外はほぼ、すべて作っています。けっこうお金がかかってしまいますが、部屋に合わせて家具を造ると見た目がすっきりして、スペースも有効活用できるんですよ。

リノベーションの写真 つづきはこちら

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PROFILE

石井健(いしい・たけし)

1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から600件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。また「賃貸アパート改修さくらアパートメント」(東京・経堂)で2014年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)、『MUJI 家について話そう』(部分監修)、『リノベーションでかなえる、自分らしい暮らしとインテリア LIFE in TOKYO』(監修)。
ブルースタジオへのリノベーションのご相談は、隔月開催のセミナーや、個別相談で承っています。

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