リノベーション・スタイル

<78>ノマド夫妻の城は渋谷の38m²

  • 文 石井健
  • 2014年8月6日

 [5ive]
 Mさん夫妻(夫35歳、妻33歳)
 東京都渋谷区
 築42年 / 39.13m²
 工事費 700万円

 Mさん夫婦は奥様がフリー編集者で、ご主人が美容師。おふたりは住んでいた北京の家を引き払って、東京で新しく仕事を始めるときに、リノベーションの相談に来られました。

 仕事柄、どうしても都心が便利なので、手頃な物件はどうしてもコンパクトにならざるを得ません。38m²と二人暮らしにしては狭い部屋でしたが、リノベーションでとても心地のいい空間に生まれ変わりました。

 まず、玄関の土間スペース、リビング、ワークスペース、寝室にゾーニングしました。ソファやダイニングテーブルは思い切ってあきらめ、その代わり、壁側の大きな窓に沿ってカウンターテーブルを設置。それと平行して、頭上には本棚を造作しました。広々として、おしゃれなカフェのような雰囲気です。

 リビングの奥はワークスペースに。床を一段下げて絨毯(じゅうたん)を敷き、空間を切り替えています。その背面に、階段をあがると3畳ほどのミニロフトがあり、布団を敷いて寝られます。床下はもちろん収納。スーツケースなど大型のものも入れられます。

 キッチンは玄関の土間スペースにあります。ここもリビングから一段床を下げ、スペースの切り替えをしています。全体的にゆったりと造り、洗濯機や冷蔵庫もまとめました。“洗濯機が屋外にあった時代”のような感じです。昔、厨房を通って席に着くレストランがありましたが、そんな雰囲気もありますね。

 風呂やトイレもかなりコンパクトですが、無駄なく使いやすいように工夫しています。スペースを節約するため仕切りはカーテンにして、床や壁は2種類のタイルを使って全面タイルにしました。

 おふたりはモノが好きですが、厳選されていて多くはありません。活動範囲も国内にとどまらず、あちこちに飛ぶ“ノマド夫婦”。海外の身軽な空気感が部屋にも現れています。コンパクトだけど、心地よくて住みやすい。都会の理想的な暮らし方の一つです。

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PROFILE

石井健(いしい・たけし)

1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から500件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)


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