リノベーション・スタイル

<82>山好き夫婦 山小屋っぽくない「山の家」風

  • 文 石井健
  • 2014年9月10日

 [Hutte]
 Hさん一家(夫38歳、妻38歳、長男7カ月)
 東京都文京区
 築36年 / 61.56m²
 工事費 1200万円

 ほぼ真四角の物件。窓が3面にあり、60m²ながら、とても使い勝手のいい部屋に仕上がりました。

「迷路のような、動線がいくつもある部屋にしたい」とのことだったので、リビングを中心にして、キッチンや寝室、バスルームと洗面所などをまわりに配置しました。

 玄関をあけると、モルタルの床が広がっていて、そのまま洗面所へつながっています。玄関と洗面所が一体となっていて、空間が広く感じられます。外から帰ってきて、手もすぐ洗えるし使い勝手がいいんですよ。

 一般的には、脱衣場と洗面所が一緒の空間にある場合が多いですが、実はそれって同時に使えないのでスペースの無駄なんですよね。洗面所はオープンな空間にあると意外と便利です。

 さらに奥に入って行くと、キッチンとリビングがあります。Hさんご夫婦は山好きで、山の絵が壁にたてかけてありますが、ここに使われている空の青がインテリアのキーカラーになっています。

 青いランタンにすぐ目がいくでしょうが、実はリビングの壁の上部にある隙間の奥の壁も青くペイントしています。照明がはめ込まれているので、明かりをつけると、ぽわんと壁の上部が青くなるんです。窓側には「ecofire」というメーカーのコンパクトな暖炉もあり、さりげなくアウトドア感を演出しています。

 キッチンの隣は、リビングの明るい光を生かした、小さな書斎兼ワークスペースにしています。キッチンと書斎を完全に壁で仕切ってしまうと圧迫感があるので、思い切って大きな窓を開けました。どちら側にいても開放感を感じ、同時に空間の仕切りにもなるよう、窓の大きさや壁の高さを調整しました。

 ベッドルームやバスルームなどのプライベート動線は玄関から入って右側にかためています。キッチン動線、パブリック動線、部屋全体の動線など、当初の希望のように、それぞれがうまくつながっています。

「木は好きだけど、ディテールはシャープに」「山は好きだけど、山小屋にしすぎたくない」というご夫婦の意見を採り入れ、アウトドアの要素を用いつつ、都会的にまとまった居心地のいい部屋になりました。

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PROFILE

石井健(いしい・たけし)

1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から500件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)


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