リノベーション・スタイル

<84>フローリングをあえて傷つけ、味わい演出

  • 文 石井健
  • 2014年9月24日

 [S邸]
 Sさん一家(夫34歳・妻35歳・長男4歳・次男1歳
 東京都江戸川区
 築27年 / 75.52m²
 工事費 800万円

 4人家族のSさんは「新築でなく、味わいのある空間でゆったり暮らしたい」とのことで、中古マンションをリノベーションすることになりました。この物件は少しL字型になっており、窓がたくさんあってとても明るい部屋です。ルーフバルコニーが広いのが魅力です。

 間取りは、キッチンを手前に出したり、押し入れの空間をワークスペースにしたり、少し調整をしましたが大きくは変えず、ご夫婦の好みに合わせて仕立てていくことにしました。

 まずリビングは、ダメージ加工が施されたオークのフローリングを採用。もともとはショップ用に作られた技術で、新品なのに経年変化したような味が出せます。釘などのスクラッチ加工、ブーツダメージなどいくつもの種類のキズを合わせ、その割合をオーダーして“キズミックス”もできます。今は床材を選ぶだけでなく、こういった遊びもできるんです。

 壁はピスタチオ色に、キッチンはネイビーブルーにペイント。床や家具の茶色とよく合っています。

 収納は造作家具と既製品をうまく組み合わせています。ダイニングの白い棚は造作です。4面あってそれなりに大きいのですが、足をつけて下を浮かせ、軽やかさを出しています。隣にあるキッチンの棚は既製品です。

 CDラックの横の棚は「PACIFIC FURNITURE SERVICE」。ほかにも「unico」や「journal standard Furniture」といったメーカーの家具を上手に組み合わせています。メーカーが違っても、トーンがそろっているので違和感がありません。

 おふたりにとって、部屋はキャンバスなのでしょう。自分たちの空間に好きな色を塗って、好きなものを置いて……。奇をてらわないスタンダードなリノベーションの中に、住み手のセンスがにじみ出ています。

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PROFILE

石井健(いしい・たけし)

1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から600件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。また「賃貸アパート改修さくらアパートメント」(東京・経堂)で2014年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)、『MUJI 家について話そう』(部分監修)、『リノベーションでかなえる、自分らしい暮らしとインテリア LIFE in TOKYO』(監修)。
ブルースタジオへのリノベーションのご相談は、隔月開催のセミナーや、個別相談で承っています。

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