リノベーション・スタイル

<90>スチールの本棚が趣味空間の重心に

  • 文 石井健
  • 2014年11月5日

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 Tさん夫妻(夫35歳、妻29歳)
 東京都足立区 築31年 / 59.28m²
 工事費 1150万円

 現在はご夫婦でお住まいですが、設計当時はTさんひとりでした。立地にはそれほどこだわりはありませんでしたが、住環境などをあれこれ吟味し、時間をかけて現在の物件を探されました。決め手は目の前が公園という環境の良さ。購入時には、リノベーションのイメージはだいたいできていました。

 音楽がお好きで、ピアノやギター、オーディオ、DJ機材などをたくさん持っています。本や置物などの小物も多く、それらをいかに配置していくかがリノベーションのテーマとなりました。

 まず考えたのが本棚です。部屋の中心にスチールの本棚を置いていますが、これは最初の設計時から考えていました。スチールなのでシャープな印象ですよね。下を浮かせることによって、さらに存在感を放っています。当初はここにガラスをはって、中にギターを収納しようとしたんですが、「ちょっとやりすぎで恥ずかしいかも」とのことで、なくしました(笑)。

 この本棚が部屋の重力の中心となり、Tさんの好きな本、音楽、小物といった、さまざまなものがセンスよく並んでいます。

 この本棚の一部を利用して造ったのが音楽スペースです。家具の造作はせず、本棚や家具の配置だけで空間を形作り、将来的には個室にすることもできます。この音楽スペースの奥の扉を開けるとクローゼットや寝室につながっています。

 リビングは広々と居心地よく、目の前にある公園の緑が映えます。キッチンもかなり充実させました。Tさんの趣味を部屋中あちこちに散りばめましたが、それに占拠されるのではなく、住空間としては快適で、バランスのとれた豊かな住まいですね。

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PROFILE

石井健(いしい・たけし)

1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から600件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。また「賃貸アパート改修さくらアパートメント」(東京・経堂)で2014年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)、『MUJI 家について話そう』(部分監修)、『リノベーションでかなえる、自分らしい暮らしとインテリア LIFE in TOKYO』(監修)。
ブルースタジオへのリノベーションのご相談は、隔月開催のセミナーや、個別相談で承っています。

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