リノベーション・スタイル

<91>理系夫婦が実現させた「五ツ星の家」

  • 文 石井健
  • 2014年11月12日

 [M邸]
 Mさん夫婦(夫31歳、妻32歳)
 東京都世田谷区 築29年 / 73.13m²

 ご主人は物理系、奥様は生物系でともに研究職という理系夫婦。そのためか、最初の打ち合わせでは「私たち理屈が通ってないとダメで……」とおっしゃっていたのが印象的でした。

 そんなおふたりはプランを考えるときも積極的。自らCGなどを駆使して図面を描き、設計イメージをプレゼンしてくれました。「2人で並んで仕事ができるワークスペース」「小上がり」「派手な色でペイントしたトイレ」など、欲しいものがはっきりしています。そうした要望をお聞きした上で、「こんなこともできる」とこちらから提案し、キャッチボールを重ねながら部屋を作っていきました。

 壁式構造のマンションだったので、大きく間取りを変えることはできません。設計の自由度は減りますが、逆にその特性を活かし、それぞれの部屋をまるで一つの家のように作り込んでいくことにしました。空間は五つあったので、コンセプトは「五ツ星の家」です。

 玄関から中に入ると、まず水回りを集めた部屋があります。ただ、洗面台だけは独立させ、寝室の横にオープンにして置きました。そうすることによって洗面所が広くなり、同時に洗面台の使い勝手もよくなります。

 寝室と洗面台を一体にすると、けっこう使いやすいんですよ。顔を洗ったりするときはベッドに近い方がいいですし、オープンにすることで、ちょっとしたときにすぐに手を洗うこともできます。

 寝室とウォークインクローゼットは隣同士ですが、壁の上部がガラスになっており、空間としてはつながりを感じられます。

 この水回りと寝室、二つの部屋を隔てる廊下を通っていくと、ワークスペースとLDKがあります。ワークスペースには、ご希望通り2人並んで仕事ができる場所と小上がりを設けました。

 キッチンには「BBQスタイル」と私が呼んでいる、コンロとダイニングテーブルの一体型のものを設置。リビングは窓が多くて明るく、とても落ちつく空間です。

 どの部屋も機能が明確で、だからこそ居心地の良さを感じるのかもしれません。壁式には壁式だからこそできるリノベーションがあるのですね。

リノベーションの写真 つづきはこちら

[PR]

PROFILE

石井健(いしい・たけし)

1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から600件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。また「賃貸アパート改修さくらアパートメント」(東京・経堂)で2014年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)、『MUJI 家について話そう』(部分監修)、『リノベーションでかなえる、自分らしい暮らしとインテリア LIFE in TOKYO』(監修)。
ブルースタジオへのリノベーションのご相談は、隔月開催のセミナーや、個別相談で承っています。

&wの最新情報をチェック


&wの最新情報をチェック

Shopping