リノベーション・スタイル

<98>「リノベ済み」を予算200万円でリノベ

  • 文 石井健
  • 2015年1月7日

 [酒井邸]
 酒井さん一家(夫28歳・妻38歳・長男0歳)
 東京都世田谷区 築41年/75.37m²/総工費 160万円

 酒井さん夫妻が購入されたのはリノベ済みの中古物件でした。しかも、床は無垢のフローリングになっていて、センスのいいリノベ。かなりレアなケースです。

 ただ、スイッチプレートや照明など、いくつか「惜しい!」ところがありました。そんなデティールを自分たちのセンスに合わせて変えたい、というのがリノベーションの動機でした。

 予算は200万円。酒井さんご夫妻は、このうち約半分を部屋の基本性能アップに充てました。まずは2部屋をつなげ、壁側に背中合わせにあった収納をウォークスルークローゼットにし、風通しをよくしました。

 さらに、断熱材が入っていない壁には断熱材を入れたり、北側の窓を二重サッシにして断熱効果を高めたり。扉やスイッチプレートの交換だけでなく、天井にはフックを取り付け、洗濯物を干したり、ハンモックを下げたりもできるようにしました。見た目にはあまり変化のない工事ですが、暮らしやすさがぐっと高まるでしょう。

 そして、残り半分の予算はご夫妻のオリジナル空間を作るために使いました。おふたりは、以前から渋谷にあるカフェ「マメヒコ」がお気に入りでした。カフェの真ん中に大きなテーブルがあり、その中心に大きな木が置いてあるんです。そんな安らぎの空間が家にも欲しい……。ということで、そのカフェをお手本に空間を作ることに。

 テーマは「家の中でピクニック」。メインのダイニングテーブルを造作し、真ん中に穴を空けて木がのぞく形にしました。フローリングで使うようなパーケットの寄せ木を使っており、二つのテーブルを繋げています。今はまだ小さい木ですが、これがご家族とともに成長していくのです。壁側に造ったベンチの一部も丸く切り抜き、そこにも木を置いています。時間とともに木が育っていくのが楽しみですね。

 今回のようなケースは稀ですが、運がよければこんな物件に出合うこともあります。

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PROFILE

石井健(いしい・たけし)

1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から600件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。また「賃貸アパート改修さくらアパートメント」(東京・経堂)で2014年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)、『MUJI 家について話そう』(部分監修)、『リノベーションでかなえる、自分らしい暮らしとインテリア LIFE in TOKYO』(監修)。
ブルースタジオへのリノベーションのご相談は、隔月開催のセミナーや、個別相談で承っています。

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