リノベーション・スタイル

<99>最上階の60m²を別荘のように

  • 文 石井健
  • 2015年1月14日

 [N邸]
 Nさん一家(夫35歳・妻35歳・長女3歳・次女1歳)
 東京都世田谷区 築30年/58.99m²/総工費 850万円

 人気のある中古マンションには、大きく二つの特徴があります。一つは、購入時より値下がりしない物件であること。たとえば築20年以上経っているマンションは、今後大幅に価格が下がることはありません。新築の場合は購入時が一番高く、最初の10年でガクッと価格が落ちます。中古マンションの方が資産の目減りが少ないんです。

 もう一つは、1981年以降に建てられた建物であること。この年に新耐震基準が導入されたので、築年数は経っていても、耐震基準が今のものに近いのです。

 この二つの特徴を兼ね備えた中古マンションは安定した人気で、そんな物件を探している人が多いんですよ。

 ご紹介するのは、この両方の条件を満たしたマンションです。しかも最上階で、屋根がフラットでなく山型。天井が高くとても開放的です。さらに、玄関から中に入ると階段を上がってリビングに入るようになっており、マンションでありながら戸建てのような空間。斜めの天井のため、まるで山小屋や別荘のような雰囲気もあります。

 壁式なので間取りはほとんど変えていませんが、大きく変えたのはLDK。ベランダ側に小あがりを造り、お客さんが来たときには寝ることもできるようにしました。

 寝室は家族4人分のベッドを敷き詰めています。余分なスペースがなく、“寝るため”だけの部屋です。斜めの天井と壁の隙間にはわざと空間をあけ、風が通るようにしました。

 奥様はタイルなどの素材を輸入する会社にお勤めで、インテリアが大好き。キッチンの白いタイルや、壁にはめたポルトガルのタイルなどはご自分で調達してきたものです。そのほか、玄関の廊下に使った木のタイルも奥様のご希望でした。プロに任せるところは任せ、参加するところは参加する。それもリノベーションを楽しむコツですね。

「これからもライフステージに合わせて気軽に住み替えたい。とっても楽しかったので、何度でもリノベをやりたい」と奥様がおっしゃっていたのが印象的でした。

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PROFILE

石井健(いしい・たけし)

1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から600件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。また「賃貸アパート改修さくらアパートメント」(東京・経堂)で2014年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)、『MUJI 家について話そう』(部分監修)、『リノベーションでかなえる、自分らしい暮らしとインテリア LIFE in TOKYO』(監修)。
ブルースタジオへのリノベーションのご相談は、隔月開催のセミナーや、個別相談で承っています。

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