リノベーション・スタイル

特別編<6>自分でつくれば家に記憶が刻まれる

  • 連載100回記念対談 HandiHouse project×石井健(後編)
  • 2015年3月11日

  

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 自分らしく暮らすために住まいを編集する――。「ブルースタジオ」が手がけたリノベーション事例を紹介する連載「リノベーション・スタイル」が 100回を迎えたのを記念して、ブルースタジオ執行役員の石井健さんがいま注目の若手3組と、これからの住まいや暮らしについて語り合います。

 第6回は、「妄想から打ち上げまで」というスローガンで、設計から工事まですべてのプロセスに施主を巻き込んで、自分たちの手で家作りをするとい うHandiHouse project(ハンディハウスプロジェクト)。結成4年目を迎えた彼らに、家作りのこれからを聞いた後編をお届けします。(構成 宇佐美里圭) >>前編はこちら

石井健 家づくりっていろんな方法があるし、家に求められることも人によって違うけれど、ハンディのお客さんはどんな方が多いですか?

中田裕一 いろいろですね。俺らと一緒に全部つくっていきたいという人もいれば、ある程度はこっちに任せて、少しだけ自分でやってみたいという人もいる。

加藤渓一 工事終わってから、丸鋸とかインパクト(ドライバー)を買っちゃうお客さんもいます。そういう人は知らないうちに扉つくっちゃってて、フェイスブックで知って俺ら驚く、みたいな感じです(笑)。たった1、2カ月の工事でここまで意識が変わるというのは面白いですね。
 あと、設計のときに「いつか売りたいので、誰でも住みやすい間取りで」とリクエストしてたのに、一緒に工事をして完成すると「もう売れません!貸すのも嫌です」って言うお客さんもいる。それくらい愛着を持ってくれるようになるんですね。お客さんを現場に巻き込む面白さはそこです。
 それに、仕上がりに少しムラがあったとしても、自分たちでやったことだと、「ああ、あのときはテンション低かったな」とか「疲れていたな」とか、工事のことや俺らの顔を思い出してうれしくなっちゃうみたいです。例えば、トイレに入って壁を眺めてるときとか(笑)。

石井 建物に記憶が刻まれやすいんだね。脳のしわみたいなものですね。

加藤 そう!(笑)

石井 基本的に、お客さんは全員、道具を手にするんですか?

中田 100%、そうですね。無理やりでもやってもらう(笑)。どんどん引き込みます。それをわかったうえで僕らに依頼してくれているので、嫌がる人はいませんね。

加藤 「塗るくらいしかできない」という人がいても、「塗る」という口実を作って現場に来てもらうんです。で、僕らがタイルを貼っていれば「タイルもやってみません?」って声をかける。少しずつやることで、「自分でもできるんだ」って意識が変わっていきます。大工の経験がなくてもできるものなんです。

坂田裕貴 今、僕らが話をしているこの小屋も、まったく大工仕事をしたことがない人たちがつくっているからね。

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PROFILE

石井健(いしい・たけし)

1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から500件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)

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