リノベーション・スタイル

<102>既存のコーポラティブハウスを自分仕様に

  • 文 石井健
  • 2015年4月8日

 [O邸]
 Oさん親子(Oさん40歳、長女11歳)
 東京都大田区 築11年/71.10m²/総工費 1150万円

    ◇

 この物件の特徴は“築浅のコーポラティブハウス”ということでした。階高があって梁(はり)も出ておらず、エアコンは埋め込みで収納もたっぷり。内部設備も特注で作られており、もともとのデザインがいい。基本性能がしっかりしていたので、かなりの部分を積極的にそのまま利用しています。

 たとえば玄関収納、子供部屋の棚、寝室収納、エアコン、リビングのテレビ台の棚、フローリング、寝室などはそのまま。一見、どこが既存でどこが新しいのかわからないような感じですが、既存の家に新しいレイヤーをかけていくようなリノベーションでした。

 大きく変えたのは、キッチンなど水回りの位置とそのエリアの床です。キッチンは、クローズドだったものをオープンにし、かなり広くスペースをとりました。洗面台はお風呂とキッチン、トイレの間にある廊下に出しました。

 床は黒い天然石のタイルです。鉄分が含まれていて、浮き上がったサビが模様になり、一つひとつニュアンスが違います。けっこう高価なものですが、ほかのところで既存のものを利用した分、素材にお金をかけることができました。この黒いタイルはキッチン、洗面所、トイレや廊下まで一面に敷き、リビングや寝室と雰囲気を変えています。

 お子さんの部屋はほとんど変えていませんが、床にピンクのカーペットを敷き、ドアをピンクに塗りました。大きい面積の色をかえると雰囲気が一変します。

 リビングのソファはイタリアの高級家具B&Bのもので、照明はデザイナーのマルセル・ワンダーズで知られるmoooi(モーイ)製。何気なく置かれた家具に住まい手のセンスが感じられます。

 使えるものはそのまま使い、こだわるところにはこだわる。メリハリをつけ、既存のものに自分たちの生活をオーバーレイしていくのも、リノベーションの一つの方法です。

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PROFILE

石井健(いしい・たけし)

1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から600件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。また「賃貸アパート改修さくらアパートメント」(東京・経堂)で2014年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)、『MUJI 家について話そう』(部分監修)、『リノベーションでかなえる、自分らしい暮らしとインテリア LIFE in TOKYO』(監修)。
ブルースタジオへのリノベーションのご相談は、隔月開催のセミナーや、個別相談で承っています。

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