リノベーション・スタイル

<104>四つの窓ごとにシーンが切り替わる

  • 文 石井健
  • 2015年5月7日

 [S氏邸]
 Sさん夫妻
 東京都 築38年/70.20m²

    ◇

 この物件の特徴は、角部屋ということもあって4面の窓が均等にあること。これを生かさない手はありません。

 Sさんご夫妻の主な要望は、窓から景色を楽しめる風呂と大きな収納、そして畳の小上がりの三つでした。そこで、要望を満たしつつ、窓ごとにシーンが切り替わることをイメージして設計しました。

 つまり、風呂からのビュー、LDからのビュー、キッチンからのビュー、畳部屋からのビューという四つのビューをつくるのです。四季が変わるように、四つの窓から見える景色が空間ごとに変わるので、コンセプトは「フォーシーズン」。

 部屋の中心に置いたのはベッドルームです。そこを回遊できる形で、ウォークイン・クローゼット、キッチン、リビング、小上がりを配置。そして、その外側にワークスペースや風呂をもっていきました。

 それぞれ空間ごとに、床の色や素材が異なります。クローゼットは絨毯(じゅうたん)、ベッドルームは緑のヘリンボーン、廊下やダイニングは白いタイル、キッチンは黒いタイル、リビングはフローリングで小上がりは若草色の畳。足を踏み入れただけで空間の切り替えを感じられます。

 ニッチの壁や扉などところどころに青をペイントしていますが、じつは「西武ライオンズのブルー」なんです。奥様が西武ライオンズのファンで、最初から「これだけは譲れない」と(笑)。さらにフローリングの茶色いエリアが内野で、ベッドルームの緑のフローリングエリアが外野、という見立てもあります。誰も気づきませんが(笑)。

 また、お風呂へ通じる扉がアーチ型で木目のストライプになっていたり、小上がりにはクローゼットとつながる茶室のような丸い窓がついていたり。あちこちに遊び心が入れ込まれています。

 細かく分けると、八つくらいの世界(=空間)が寄せ木ブロックのように合体していて、その中を回遊できるという今回のリノベーション。部屋全体に開放的で楽しい雰囲気があふれています。

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PROFILE

石井健(いしい・たけし)

1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から600件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。また「賃貸アパート改修さくらアパートメント」(東京・経堂)で2014年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)、『MUJI 家について話そう』(部分監修)、『リノベーションでかなえる、自分らしい暮らしとインテリア LIFE in TOKYO』(監修)。
ブルースタジオへのリノベーションのご相談は、隔月開催のセミナーや、個別相談で承っています。

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