リノベーション・スタイル

<106>リビングに広がりが出る、区切りの工夫

  • 文 石井健
  • 2015年6月3日

 [I邸]
 Iさん一家(夫33歳、妻32歳、長女4歳)
 東京都港区 築34年/61.11m²/総工費 1069万円(税込)

    ◇

 Iさんご夫婦は二人ともバリバリのビジネスパーソン。育児をしながらも、仕事は目一杯やるという生活スタイルでした。なので、限られた時間の中でどうやってオンオフを効率よく切り替え、“やらなきゃいけないこと”と“やりたいこと”を実現していくのかがテーマでした。

 そこでまず考えたのは動線です。仕事がしやすく、家事を効率よくできる動線はどんなものか。朝の動き、夜の動き、休日の動き………いろいろなパターンを整理してもらい、そこからプランを練っていきました。

 最終的に絞った動線は2つです。一つは、買い物して帰ってきたときのパターン。玄関から入るとそのままパントリーを通ってキッチンへ入ります。もう一つは、買い物せずに帰ってきたときのパターン。この場合は玄関から洗面所を通り、クローゼットへつながります。玄関からまっすぐリビングへつながる入り口も加えたので、玄関からのアプローチは合計3カ所あります。それぞれの動線上にフックなどをどう配置するかを考えていきました。

 水回りが部屋の両サイドにあり、リビングと寝室が隣り合って配置されているので、比較的オーソドックスなレイアウトです。問題は、この配置だとどうしてもリビングが細長くなってしまうこと。そこで、広がりを感じられるよう、リビングと寝室を完全に区切るのではなく、スチールサッシで区切ることを提案しました。そうすれば、視界が通るので広く感じますが、匂いや音などは遮断され、空間としては分けることができます。

 床は奥様の希望でヘリンボーンにしました。キッチンはダイニングカウンターと隣り合わせにし、平日など忙しいときは、ここでさっと食事ができるようにしています。広尾にあるベーカリレストラン「SAWAMURA」の雰囲気が好きとのことだったので、キッチンとカウンターの距離感などはそこを参考にしています。

 リビングには当初から置くと決めていた、フリッツハンセンのROチェアがあります。日本で初めて輸入された限定版だとか。休日、ゆっくり食事をするときはこちらでゆったりと過ごされているようです。

 動線をしっかりと組み立てることで、オンとオフ、仕事と家事を効率よく切り替えることができる良い例ですね。

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PROFILE

石井健(いしい・たけし)

1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から600件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。また「賃貸アパート改修さくらアパートメント」(東京・経堂)で2014年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)、『MUJI 家について話そう』(部分監修)、『リノベーションでかなえる、自分らしい暮らしとインテリア LIFE in TOKYO』(監修)。
ブルースタジオへのリノベーションのご相談は、隔月開催のセミナーや、個別相談で承っています。

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