リノベーション・スタイル

<118>家族4人ですっきりワンルーム

  • 文 石井健
  • 2015年11月18日

 [O邸]
 Oさん一家(夫48歳・妻43歳・長男12歳・次男7歳)
 東京都目黒区 築45年/78.4m²/総工費 非公開

    ◇

 Oさん一家は、もともとこの中古マンションに10年以上お住まいで、とても気に入っていました。ただ、2LDKの部屋の北側は暗く、使いづらい部屋もあったため、「自分たちの暮らし方にあった間取りにしたい」と、リノベーションの相談に来られました。

 Oさんたちの要望はまず、「個室はまったくいらない」というものでした。普段から家族一緒に布団で寝ているため、寝室さえいらないとのこと。その代わり、明るく広いLDKが欲しいとおっしゃっていました。そこで提案したのは、木枠のサッシを部屋の窓側と中央につけた、3つに区切れる大空間です。サッシは半透明のガラスのようですが、男の子のお子さんがいるので、危なくないよう、割れないポリカーボネイトを使用しました。この二つのサッシをすべて開けるとまるで「道場」のような広々とした空間が現れます。窓からの光が部屋全体にまわり、とても明るくなりました。

 もちろん、必要に応じてサッシで仕切れば、窓側の部屋はサンルームになり、さらに個室が二つできます。夜はサッシを閉めて布団を敷けば、リビングが寝室に。実は、布団はスペースをうまく活用できるので、都市居住者こそおすすめなんですよ。

 すっきりしたワンルームにするため、布団やクローゼットなどいろいろな収納は両側の壁全面を使っています。柱や梁を利用しながら、かなり綿密に設計しました。お子さんの“勉強部屋”やワークスペースなども壁の扉の中にあります。お客さんがくるときは扉を閉めればそこに小さなスペースがあるとは気づきません。

 新しい家具もなるべく置きたくないとのことで、ダイニングのテーブルやベンチソファも造り付けにしました。ソファの赤は壁の張り出しに収納しているサーフボードの赤にそろえています。壁の一部には床の間のようなへこみを作り、既存のコンクリート加工にモルタル塗装をしました。Oさんはここに絵や置物などを置いています。部屋のコーナーを使ったこのダイニングは、どこかファミレスのようなショップのような感じで楽しい雰囲気ですね。

 広々としたLDKの床はウォールナットですが、玄関から続くサニタリースペースはブラックスレートに。床の素材を変えて、空間に変化をつけました。玄関に入ってすぐ目に飛び込むのは、トイレのグリーンの壁。トイレの中はオレンジです。生活空間に色があると、楽しい雰囲気になりますよね。

 Oさんのお宅は、ご家族4人で暮らしているのに、とてもすっきりしています。リノベーションのテーマを、「なるべく広々とした空間に」という一点に絞ったことで、居心地のよい部屋が生まれました。

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PROFILE

石井健(いしい・たけし)

1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から600件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。また「賃貸アパート改修さくらアパートメント」(東京・経堂)で2014年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)、『MUJI 家について話そう』(部分監修)、『リノベーションでかなえる、自分らしい暮らしとインテリア LIFE in TOKYO』(監修)。
ブルースタジオへのリノベーションのご相談は、隔月開催のセミナーや、個別相談で承っています。

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