リノベーション・スタイル

<120>家族の成長に合わせて変わる、スペースの区切りかた

  • 文 石井健
  • 2015年12月16日

 [K邸]
 Kさん一家(夫30代・妻30代・長女7歳・次女5歳)
 東京都大田区 築42年/84.42m²/総工費 非公開

    ◇

 今回のリノベーションは、業界でいう“ニコイチ”、つまり二部屋をつなげて一部屋にするという事例です。二つを一つにするので、窓が比較的多く、お風呂やトイレなど水まわりの位置も割と融通が効きます。

 ただ、今回は二部屋の間にあった壁が耐力壁だったため、解体できる場所が限られてきます。そこで二部屋を遮る壁はそのまま残し、一部のブロック壁の場所だけ壊して通路にし、そこを行き来するというプランになりました。

 さて、右と左の部屋をどう使い分けるか。いろいろとプランを考えましたが、最終的には片側を家族がお風呂に入ったり、寝たりするプライベートスペースに、もう片側を食事したり遊んだりする、アクティブスペースにすることに。リラックスする時間とアクティブな時間を、通路を行き来することでモードチェンジできるようにしました。

 寝室もいろいろと考えましたが、最終的には15畳ほどの広い空間に。今はベッドを置いていますが、将来的には区切って子ども部屋にできるようにしています。

 アクティブスペースで特徴的なのはアールのついた壁の部屋。今はキッズスペースになっています。棚は裏表収納ができ、上部はブラインドに。通常は開いていますが、ここを閉めれば完全に個室のようになります。どこか図書館の子ども部屋のような雰囲気があります。将来的には、大人の書斎や寝室にもなるように設計しました。

 これまでは、一つの子ども部屋で、「寝る、遊ぶ、勉強する」などすべてのアクティビティを完結させていましたが、最近は子どもの寝るスペースと遊ぶスペースを分散させる人が増えています。大人がリラックスする部屋と寝る部屋を分けているのと同じように、子ども部屋も遊ぶ場所と寝る場所が違ってもいいんじゃないか、という考え方です。

 実際は、子ども部屋とは別に、キッチンの横に子どもが遊ぶためのスペースを作る人が増えています。こうすると、ご飯を作りながら子どもの様子が見えますし、リビングがおもちゃだらけになることを避けられます。子どもと大人、双方にとって都合がいいんですね。

 今回は、家族の成長によって調整できる、将来を見据えたリノベーションとなりました。

リノベーションの写真 つづきはこちら

[PR]

PROFILE

石井健(いしい・たけし)

1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から600件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。また「賃貸アパート改修さくらアパートメント」(東京・経堂)で2014年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)、『MUJI 家について話そう』(部分監修)、『リノベーションでかなえる、自分らしい暮らしとインテリア LIFE in TOKYO』(監修)。
ブルースタジオへのリノベーションのご相談は、隔月開催のセミナーや、個別相談で承っています。

&wの最新情報をチェック


&wの最新情報をチェック

Shopping