リノベーション・スタイル

<特別編2>植物に合わせて暮らす、環七沿いの“ベランダー”

  • 文 石井健
  • 2016年1月20日

センスを感じる植物の配置。シンプルな内装に緑が映える

  • センスを感じる植物の配置。シンプルな内装に緑が映える

  • イームズのダイニングセットがぴたりと収まるダイニングキッチン

  • 吊るす、置く、掛ける…。植物の形に合わせて、飾り方いろいろ

  • 植え替え作業中のベランダ。新しい仲間をお出迎え

  • 色々な所で購入した植物達。植木鉢のペイントは色々な塗料を試した

  • ある月のベランダの様子

  • ベランダからの眺め。遠くに富士山が見える

 前回に続いて、ブルースタジオのスタッフの家を紹介する特別編の第2回目。今回は設計部門マネージャーのタカユキさんの住まいです。

    ◇

[T邸]
 タカユキさん夫妻
 世田谷区/40m²

 今ではブルースタジオ随一の“ベランダー”である彼が住んでいるのは、都内の賃貸マンション。下北沢にも近く、都心部へのアクセスがいい上に、自然が豊富。駅から家までの間に緑道もあり、毎日歩いていても飽きないと言います。

 彼がこのマンションを選んだ理由は、ベランダからの眺め。夕日と富士山が見え、見晴らしがすばらしかったために決めたそうです。環七沿いで騒音が気になること、内装は新建材ばかりだったこと、間取りが使いにくいことなど、もろもろ不満はありましたが、広いベランダを見て「ここをなんとかすればいい家になる!」という直感が働いたとか。

 そしてその直感は的中。ある日、広いけれど、がらーんとしたベランダを見ていたときに、彼のベランダー道が始まりました。「デッキを敷きたいな」と思い、際にデッキを敷いてみると、今度は植物を置きたくなり……。気がつけば部屋のことはそっちのけで、ベランダいじりをしていたそう。奥様も植物好きだったため、あっという間に植物が増えていきました。

 今では、ベランダだけでなく、部屋のあらゆる棚や隅に植物があります。吊るす、置く、架ける……植物の特徴によっていろいろなディスプレイの仕方があるのがわかります。

 部屋の家具などは人からもらったり、拾ってきたり、安く譲ってもらったものばかり。植物との相性がいいリンゴの箱や野菜の木箱に自分で手を加え、収納に使ったりもするそう。「インテリアに植物を飾っているというより、インテリアを植物に合わせている」という彼。毎日ちょっとずつ変わる植物と暮らしていると、「大袈裟に言えば、毎日違う部屋に住んでいるような感覚が味わえる」と言います。

 植物にハマってからは、素焼きの鉢を塗ってカスタマイズしたり、マクラメでグリーンハンキングを編んだり、どこへ行っても街の植物に目がいったり。この物件に出会ってから、暮らし方が大きく変わったそうです。

 この家に住むまでは、ベランダがあるよりも、部屋が広い方がいいと思っていたようですが、今回引っ越して、住まいに外部空間があることの魅力に改めて目覚めたと話しています。家というのは、本当に人を変える力をもっているものですね。

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PROFILE

石井健(いしい・たけし)

1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から500件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)

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