リノベーション・スタイル

<122>狭くて贅沢な寝室と、ハワイのコテージ

  • 文 石井健
  • 2016年2月17日

 [T邸]
 Tさん一家(夫妻40代・長女9歳)
 東京都杉並区 築36年/58.32m²/総工費 非公開

    ◇

 旅先はハワイ、音楽はブルーグラスが好きというご夫婦。部屋にはピアノやギター、バンジョーなど楽器もたくさんあります。娘さんが大きくなってきたところで、それまで住んでいた部屋が手狭になり、住み替えかリノベーションかを検討していました。

 住んでいたのは、駅前にある街のアイコン的なマンションです。1階には商業施設があり、学校もすぐ近く。立地や住環境としてはかなり満足していたため、最終的には今の部屋をライフステージに合わせてリノベーションすることになりました。

 プランはキッチンを中心にした広いLDKに、子ども部屋と大人の主寝室がある間取りです。キッチンは手元が隠れるオープンキッチンにし、その隣の余ったスペースをサンルームにしました。ここにはハンモックを架けられるよう、あらかじめ天井にフックを付けています。

 寝室はギリギリまで狭めました。寝室側にあるバルコニーと窓を中心にしつつ、家具の配置や収納スペースを考え、縦横の大きさを決めていきました。結果的に、子ども部屋は3.4畳、主寝室は3.1畳に。3畳なんて聞くとぎょっとするかもしれませんが、最近の傾向としては、寝室をギリギリまで狭くし、その分みんなで過ごす場所を広く使いたいという人が増えています。“コンパクトな寝室”はもはや半常識みたいになっていますね。狭くても窓があれば圧迫感がないため、寸法や窓の位置を丁寧に考えれば問題ないんです。

 狭い個室は圧迫感がなければ、広い寝台車みたいなもの。これが飛行機だったら贅沢なわけじゃないですか。換気がちゃんとできるなどの条件があれば、意外と居心地がいいものなのです。

 全体的なデザインは、ご夫婦が好きなハワイや海のテイストを散りばめています。キッチンやトイレの壁は、南太平洋の海を思わせる“コナシーブルー”。キッチンまわりのタイルは、水しぶきをイメージして色を組み合わせました。寝室の外壁も、ハワイの海のコテージを意識してデザインしています。照明はマリンランプのイメージです。

 廊下の壁の一部には黒板のマグネット塗装を。額装のようにしたかったので、アンティークのカッティングミラーをイメージして四隅をカットしました。

 家族がともに過ごす場所を重視しつつ、それぞれの寝室も確保する。みんながのびのび暮らせるリノベーションになりました。

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PROFILE

石井健(いしい・たけし)

1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から600件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。また「賃貸アパート改修さくらアパートメント」(東京・経堂)で2014年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)、『MUJI 家について話そう』(部分監修)、『リノベーションでかなえる、自分らしい暮らしとインテリア LIFE in TOKYO』(監修)。
ブルースタジオへのリノベーションのご相談は、隔月開催のセミナーや、個別相談で承っています。

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