リノベーション・スタイル

<123>「抜け」のあるLDKを楽しむために

  • 文 石井健
  • 2016年3月2日

 [K邸]
 Kさん夫妻(夫29歳・妻28歳)
 東京都新宿区 築36年/57.52m²/総工費 870万円

    ◇

 施工当時20代だったお二人は、ともに関西出身で、社会人になってから東京へ来られました。バリバリ仕事をなさっているお二人の要望は、とにかく広々としたLDKを楽しめること。将来的に子どもができたらスペースを区切って子ども部屋を造ったり、子どもが独立したら、また広いLDKに戻したり……。そんな風に長いスパンで住み続けることを視野に入れ、プランを考えることになりました。

 部屋に足を踏み入れたとき、リビングの広さの印象をどう作るか。それを考えた結果、部屋の中心より右側を水まわりや寝室といったプライベート空間に、左側を広々としたLDKにすることに。こうすることで、玄関からリビングの窓側まで、抜けのある広いLDKを体感することができます。

 動線は、帰宅してからの動作をひとつひとつ確認して配置を考えました。「どこに仕事のバッグを置きますか」「どこに傘を置きますか」「着替えるまでどういうルートを辿りますか」など、細かく動作を整理してから図面を引いています。最終的には、玄関横に鞄とコート掛けがあり、帰宅後はそのまま洗面所で手を洗い、ウォークインクローゼットを通って、ベッドルームを抜けるとリビングに出てくるという動線になりました。

 現在は、ゆったりとした広さの玄関から中に入るとまずダイニングテーブルがあり、奥にリビングがあります。ただリビングやダイニングの位置は自由に変えられますし、部屋を増やしたくなったら、玄関側に壁を建てて増やせるように設計しています。現場で何度もシミュレーションをしてかなり厳密にやりましたね。

 プライベート側は、ベッドルームからバスルームまで一直線に繋がっています。ベッドルームはかなりコンパクトだったため、圧迫感を感じないよう、クローゼットと一体型にしました。アーチ型の入り口がありますが、引き戸はなくオープンです。

 寝室とリビングは壁で仕切られていますが、窓側がオープンになっており、空間としてはつながっています。壁があるだけなので、部屋全体が目隠しのあるワンルーム、という感じです。

 1LDKをとことんカスタマイズしたら、こうなったという感じのお部屋。選択肢に幅のあるリノベーションをしつつ今を楽しむ……。若い二人にはぴったりのリノベーションでした。

リノベーションの写真 つづきはこちら

[PR]

PROFILE

石井健(いしい・たけし)

1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から600件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。また「賃貸アパート改修さくらアパートメント」(東京・経堂)で2014年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)、『MUJI 家について話そう』(部分監修)、『リノベーションでかなえる、自分らしい暮らしとインテリア LIFE in TOKYO』(監修)。
ブルースタジオへのリノベーションのご相談は、隔月開催のセミナーや、個別相談で承っています。

&wの最新情報をチェック


&wの最新情報をチェック

Shopping