リノベーション・スタイル

<125>土間から書斎まで、リノベの「新しいふつう」

  • 文 石井健
  • 2016年3月30日

[M邸]
Mさん夫婦(夫30歳代・妻30歳代)
埼玉県さいたま市 築40年/65m²/総工費 800万円

    ◇

 中古物件のリノベーションは、20年くらい前から少しずつ浸透してきましたが、その中でたくさんの「新しいふつう」が生まれてきました。Mさんのお宅は、そんなリノベーションのアイデアがたくさん詰まったお部屋です。

 まずは玄関に入ると、広い土間スペースがあります。マンションは比較的コンパクトな玄関が多いですが、これくらい広い土間があるととても便利ですよね。Mさんは、ここに趣味のサーフィンやスノーボードなどの道具を置いています。

 そして廊下にあがると、壁のくぼみにオープンの洗面台が。こうすることで、洗面台をきれいに使うようになりますし、廊下を部屋として使えてスペースの節約にもなります。最近はこのうように洗面台を外へ開く人が増えてきています。

 LDKに入ると、青く塗られた壁と扉が目に飛び込んできます。お気に入りのカラーを大胆に取り入れ、部屋のアクセントにしていくというのも最近の傾向です。右手にはキッチン、その正面にダイニング、左側がリビングというオーソドックスな配置です。キッチンは手元が見えない高さまで壁を立ち上げるのが一般的。そうすると、外側からはモノが見えず、すっきりとした印象に。キッチンの後ろの壁には扉があり、そこを開けると2.3畳のパントリー兼ウオークインクローゼットへつながります。廊下側の扉からもアクセスでき、中で自由に仕切って使うことができます。

 リビングの壁の一部は、棚と机をつけてワークスペースにしました。パソコンを2台置いて夫婦並んで作業ができるようにしています。昔は書斎などがありましたが、パソコンの時代ならこれくらいがちょうどいい感じです。

 寝室とリビングを仕切る壁の上部には、明かりのためアンティークガラスをはめ込んでいます。このガラスや仕切りの扉、照明、洗面台の鏡などはMさんが選んできたものです。昔はショップのプロしかアンティークの建具などは買えませんでしたが、今は一般の人もネットで手に入れることができる時代。こういった持ち込みの建具や器具を使うことも増えてきています。

 このように、リノベーションの普及とともにいろいろな選択肢が浸透し、今では「当たり前」となったものがたくさんあります。住まいには時代の価値観やニーズがよく現れるものですね。

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PROFILE

石井健(いしい・たけし)

1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から600件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。また「賃貸アパート改修さくらアパートメント」(東京・経堂)で2014年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)、『MUJI 家について話そう』(部分監修)、『リノベーションでかなえる、自分らしい暮らしとインテリア LIFE in TOKYO』(監修)。
ブルースタジオへのリノベーションのご相談は、隔月開催のセミナーや、個別相談で承っています。

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