世界美食紀行

朝ヨガで始まるおこもりリゾート旅 バリ島(1)

  • 文・写真 江藤詩文
  • 2016年5月2日

写真:「ザ ムリア」のプールサイドで味わった“美人っぽい”朝ごはん。パパイヤやドラゴンフルーツなど東南アジアらしいフルーツも盛りだくさん。ジュースは100%スイカです
「ザ ムリア」のプールサイドで味わった“美人っぽい”朝ごはん。パパイヤやドラゴンフルーツなど東南アジアらしいフルーツも盛りだくさん。ジュースは100%スイカです

写真:モーニングフィットネスは「クンダリーニヨガ」のほか「ハタヨガ」や「ピラティス」といったメニューも。午前中に3コマ、夕方に2コマのレッスンが予定されていて宿泊客は無料で参加できます
モーニングフィットネスは「クンダリーニヨガ」のほか「ハタヨガ」や「ピラティス」といったメニューも。午前中に3コマ、夕方に2コマのレッスンが予定されていて宿泊客は無料で参加できます

写真:「身体を動かしたから」を言い訳に、朝からしっかり食べたいメニューも。写真はインドネシア料理の代表格「ナシゴレンとピーナッツソースを効かせた「サテ」の盛り合わせ。ジュースはフレッシュマンゴーです
「身体を動かしたから」を言い訳に、朝からしっかり食べたいメニューも。写真はインドネシア料理の代表格「ナシゴレンとピーナッツソースを効かせた「サテ」の盛り合わせ。ジュースはフレッシュマンゴーです

写真:バリ島のホテルの中で“もっともプライベートビーチに近い”といわれる「ザ ムリア バリ」。メインロビーからはこの絶景を一望できます。これだけでも癒される。手入れの行き届いたプールは全部で6カ所ありました
バリ島のホテルの中で“もっともプライベートビーチに近い”といわれる「ザ ムリア バリ」。メインロビーからはこの絶景を一望できます。これだけでも癒される。手入れの行き届いたプールは全部で6カ所ありました

写真:バリ島の朝ごはんの中でもっとも私が好きなのが定番のスープ「ソトアヤム」。チキンと春雨をガーリックやオニオンといった香味野菜と、ターメリックなどスパイスと共に煮込んだスープで、鶏の旨味が凝縮しています
バリ島の朝ごはんの中でもっとも私が好きなのが定番のスープ「ソトアヤム」。チキンと春雨をガーリックやオニオンといった香味野菜と、ターメリックなどスパイスと共に煮込んだスープで、鶏の旨味が凝縮しています

写真:バリ島で早起きするもうひとつの“お得”は「チャナン」という神様へのお供え物を飾って回る女性たちの姿を見られること。髪にプルメリアの花を刺し、巻きスカートをまとって花かごを配る姿は、なんとも美しいものです
バリ島で早起きするもうひとつの“お得”は「チャナン」という神様へのお供え物を飾って回る女性たちの姿を見られること。髪にプルメリアの花を刺し、巻きスカートをまとって花かごを配る姿は、なんとも美しいものです

写真:「ソレイユ」のサンデーブランチのほんの一例。ズッキーニの花にモッツァレラを詰めてふわふわの衣をつけ、さっくりと揚げたシェフ自慢のフリットは食感が心地よく、インドネシアのビール「ビンタン」を注文せずにはいられませんでした
「ソレイユ」のサンデーブランチのほんの一例。ズッキーニの花にモッツァレラを詰めてふわふわの衣をつけ、さっくりと揚げたシェフ自慢のフリットは食感が心地よく、インドネシアのビール「ビンタン」を注文せずにはいられませんでした

 東京ではいつも昼ごろまで起きられないのに、リゾートに来るとすっきりと目覚められるのはなぜでしょうか。朝露をたっぷり含んだバリ島特有の甘く湿った香りをかぐと、なんだか帰って来たような安心感さえ覚えます。朝7時前のリゾートはだんだんと活気を増し、にぎやかだった鳥のさえずりが遠ざかり、代わりにコロコロと笑い転げる子どもの高い声が遠くから響いて来ました。

 朝のフィットネスは熱帯植物に囲まれたオープンエアのバレ(東屋)で行われます。プログラムは日替わりで、今日のメニューはメディテーションを中心に自分の内面と対話をしながら深いリラクセーションを感じる「クンダリーニヨガ」。日ごろ運動をまったくしない“にわかヨギー”の私は全身がカチカチで美しい姿勢などまったくつくれませんが、ミネラルウォーターを飲み、低く流れるヒーリングミュージックを聞きつつポーズを取っていると気分はまるで長谷川潤(……すみません)。旅立ちまでのバタバタと慌ただしい日常がよみがえり、くすりと笑いがこぼれました。

3つのホテルが集まったゴージャスリゾート

 バリ島のヌサドゥア地区に、2012年12月にオープンした一大リゾート「ザ ムリア バリ」にやって来ました。東南アジアでは、安宿のときは町歩きや買い食いに飛び出し、ラグジュアリーリゾートではおこもりステイを基本にしています。エリアごとに雰囲気が異なるバリ島で私が特に好きなのが鄙(ひな)びた雰囲気のサヌールと、棚田といったバリ島らしい風景を見られるウブド。ヌサドゥアを訪れるのは久しぶりでした。

 高級リゾートが集まるヌサドゥアの場合、ほとんどのゲストがホテルステイを楽しみに来るとあって、ホテル選びが旅の成功を左右するといっても過言ではありません。東京ドーム6個がゆうゆう入る広大な「ザ ムリア バリ」は、全室が豪華で優美なスイートの「ザ ムリア」、全室がヴィラの「ムリア ヴィラス」、ホテルタイプの「ムリア リゾート」という三つの異なるタイプのホテルで構成されています。どこをとっても絵になる「ザ ムリア バリ」は結婚式の会場にもよく選ばれるそうで、この日も海の見えるチャペルで日本人カップルの挙式が予定されていました。白い薔薇(ばら)を中心にペールブルーを取り混ぜた、清楚(せいそ)なフラワーアレンジメントを早朝から準備するスタッフたち。ハネムーナーにはプライベート感のある「ムリア ヴィラス」が人気だそうですが、私はひとりですから、さまざまな施設が集約したメイン棟の「ムリア リゾート」のほうが便利です。ええ、もちろん強がりではありませんとも。敷地内では、どこへ行くにも電話1本でスタッフがカートに乗って送迎してくれます。この細やかなサービスも、東南アジアでしか味わえないものですよね。

ずらり100種類!魅惑のブッフェ台に敗北 

 ドライフルーツをブレンドしたミューズリとベリーという、これまた女子力が高い女性が選びそうな朝食で美しい朝を締めくくり……。と、ここまではよかったのですがここから様相が変わってきました。

 というのもこの日は日曜日。地中海&パンアジア料理レストラン「ソレイユ」では、周辺のホテルに泊まっている旅行者もわざわざやって来るという大人気のサンデーブランチが開催されていたのです。フレッシュな生ガキとエビの“シーフードタワー”を筆頭に、タイ料理やベトナム料理の要素も採り入れた冷菜、バビグリン(豚の丸焼き)などインドネシア料理からシカゴ出身のアメリカ人シェフによる創作料理まで、ブッフェ台を美しく彩る料理はざっと100種類以上。さらにデザートバーでは液体窒素を使ったプレゼンテーションやチョコレートファウンテンまであり、とりわけアジアからのゲストを喜ばせていました。カヴァに赤白ワインが数種類ずつ、さらにいくつかのカクテルやビールの飲み放題をセットにして、気がつけば“美しい朝”はどこへやら。

 こんなに誘惑に満ちたリゾートでヘルシーな食生活を貫ける人って、ほんとうに意思が強いんですね。私は98%の多幸感と2%の敗北感を同時に噛みしめました。

■トラベルデータ
バリ島のデンパサール・ングラライ国際空港へは、ガルーダ・インドネシア航空が成田と関西から直行便を運航している。飛行時間は約7時間。公用語はインドネシア語。ホテルやレストランなど観光施設では英語も通じる。時差はマイナス1時間。通貨はインドネシアルピアで、1000インドネシアルピア=約8.3円。
* データは2016年3月取材時のもの

■取材協力
ザ ムリア バリ

PROFILE

江藤詩文(えとう・しふみ)

トラベルジャーナリスト、フードジャーナリスト、コラムニスト。その土地の風土や人に育まれたガストロノミーや歴史に裏打ちされたカルチャーなど、知的好奇心を刺激する旅を提案。趣味は、旅や食にまつわる本を集めることと民族衣装によるコスプレ。著書に電子書籍「ほろ酔い鉄子の世界鉄道〜乗っ旅、食べ旅〜」シリーズ3巻。「江藤詩文の世界鉄道旅」を産経ニュースほかで連載中。

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