リノベーション・スタイル

<129>住み慣れた家、大好きな家具、夫婦で楽しむセカンドライフ

  • 文 石井健
  • 2016年7月13日

 [U邸]
 Uさん夫婦(50代)
 豊島区 築19年/78.85m²/総工費 925万円

    ◇

 家族の形というのは、時間とともにどんどん変わっていきます。子どもたちが独立して、夫婦二人暮らしに戻ったとき、そのまま同じ家に住み続けるか、もしくはコンパクトな家に住み替えるか。選択肢はいろいろあります。

 Uさんご夫婦は、18年間二人の娘さんと都内のマンションに住んでいました。しかし、子どもたちの独立を機に、「自分たちが住みやすいようにしよう」と、思い切ってリノベーションに踏み切りました。

 きっかけは、ささいなことだったようです。ある日、娘さんが洗面ボウルに香水の瓶を落としたところ、なんとボウルが割れてしまったそう。そこで直すことになったのですが、ボウルだけ取り替えるにしても意外とお金がかかるもの。だったらこの際、水まわり全部を替えようと考え始めたら、どんどん大きくなり、家を丸ごとリノベーションすることになったのだとか。いくつかリフォーム会社をまわられたそうですが、偶然ネットで弊社を知り、相談に来られました。

 お二人がもともとお持ちだったものは、コカコーラのアンティークの冷蔵庫(食品入れとして利用)やバドワイザーのネオンなど、古き良き時代を思わせる個性的な雑貨や、自由に組み替えられる「USMハラー」のキャビネット、ルイス・ポールセンの照明といった名作家具。そういったモノを独自のセンスでミックスして使っていらっしゃいました。当然、リノベーションをするにしても、“普通の家”だとテイストが合いません。お二人の持っている家具や雑貨の雰囲気に合わせながら、何をどこに置くかまで考えて設計することにしました。

 結果的に落ち着いたのは、コンクリートむき出しの壁の広いワンルームです。モルタル床の玄関に入ると、右手に3畳の土間。中にあがると右手にウォークインクローゼット、サニタリールームがあり、それ以外の空間はそのままテラスまでひと続きです。キッチンはリビングの窓側に壁付けで造りました。寝室はありませんが、もともとお持ちだった家具やハラーのキャビネットで空間を仕切ることに。

 現在は、玄関側をワークスペース、真ん中を寝室、窓側をリビングとして3つの空間に区切っていらっしゃいますが、模様替えがお好きで、気分によってコロコロと空間を変えているそう。

 ちなみに、大きな犬を3匹飼っていらっしゃるので、ケージを置けるよう、リビングの窓側からキッチンにかけてインナーテラスを造りました。フローリングも傷がつかないようにチーク材を選んでいます(犬によっては足を悪くする場合があるので、パインを使うこともあります)。

 まだまだ若い50代。“セカンドステージ”を楽しむためのリノベーションは、今後も増えていくでしょうね。

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PROFILE

石井健(いしい・たけし)

1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から600件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。また「賃貸アパート改修さくらアパートメント」(東京・経堂)で2014年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)、『MUJI 家について話そう』(部分監修)、『リノベーションでかなえる、自分らしい暮らしとインテリア LIFE in TOKYO』(監修)。
ブルースタジオへのリノベーションのご相談は、隔月開催のセミナーや、個別相談で承っています。

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