リノベーション・スタイル

<132>「リビング隣の個室、どう使うか問題」について考える

  • 文 石井健
  • 2016年8月24日

 [O邸]
 Oさん一家(夫35歳・妻33歳・長男0歳)
 杉並区/67.42m²/総工費 990万円

    ◇

 家を買うというのは、やはり結婚や出産など人生の大きな変化がきっかけになることが多いもの。Oさんご夫婦が新しい家を探し始めたのも、奥様の出産がきっかけでした。

 それまで住んでいた場所が中央線沿いだったので、新しい家も住み慣れた中央線沿いで探すことに。たまたまご希望のエリアで、新耐震の中古マンションが見つかりました。一般的に築15~20年前後の物件は、価格もある程度下がっていますが、マンションの造り自体は今のトレンドとそれほど変わりません。しかも、今回はマンション全体でリフォーム工事をする直前に購入したので、自分たちの好みにリノベーションすることができました。

 ご夫婦から要望があったのは、大きく二つ。フローリングはチーク材にしたいということ。そして、大きいスチールサッシを使いたいということ。その二つの要素を組み合わせながら、新しい家族の住まいを造ることにしました。

 間取りは、玄関から入って右側が水回りやウォークインクローゼット、左側が寝室2部屋、真ん中の廊下を通って奥がリビングとダイニング、キッチンという構成です。

 寝室は5畳と4.7畳の部屋が二つ並んでいますが、お子さんは産まれたばかりなので、しばらくは5畳の寝室に3人で寝るとのこと。そこで、リビング隣の寝室をどうするのかが一つのテーマになりました。

 この「リビング隣の個室をどう使うか問題」はリノベーションのポイントの一つです。小上がりにして後で空間を閉じるという人もいれば、個室を造りつつも窓や扉を開けてリビングとのつながりを大切にしたり、キッズスペースを造ったり、大きなワークスペースを造る人もいます。

 Oさんご夫婦が選んだのはキッズスペースでした。個室として閉じつつ、リビングとの一体感を感じられるよう、ガラスのスチールサッシで仕切り、廊下を含めてリビングとキッズスペースが同じ空間として感じられるよう設計しました。サッシのレールはコストを下げるため、外部用のレールを使っています。外部用のものは溝が大きいのですが、実物を確認頂いて許容範囲とのことで使用することに。特注ではなく、既製品を使うことで、コスト削減を実現しています。

 キッズスペースは、将来的には子ども部屋になります。もし、もう一人子どもが増えても、真ん中に壁を造り2部屋にできます。

 子育て世代は、子どもが増えたり、成長したり、どんどんステージが変化する世代。そのときどきに合わせて暮らしが楽しめるように工夫することが大事ですね。

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PROFILE

石井健(いしい・たけし)

1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から600件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。また「賃貸アパート改修さくらアパートメント」(東京・経堂)で2014年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)、『MUJI 家について話そう』(部分監修)、『リノベーションでかなえる、自分らしい暮らしとインテリア LIFE in TOKYO』(監修)。
ブルースタジオへのリノベーションのご相談は、隔月開催のセミナーや、個別相談で承っています。

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