リノベーション・スタイル

<134>横浜の景色を生かすための「床上+40センチ」

  • 文 石井健
  • 2016年9月21日

 [H邸]
 Hさん夫妻(夫40代・妻30代)
 神奈川県横浜市 築21年/69.45m²/総工費 1020万円

    ◇

 Hさんご夫婦は、将来的にご両親と同居することを考え、見晴らしのいい戸建てを探していました。ただ、なかなかいい条件の物件が見つからず、最終的には見晴らしのいい中古マンションを購入し、リノベーションをすることに。

 テーマは「景色と一体の家」です。高台に建つこのマンションからは、横浜の都市が一望できます。この眺望を生かしたいというリクエストがあり、外の景色を部屋の中に取り込んで設計することにしました。

 デザインのポイントは、床上40センチのラインです。バルコニーに出ると、ひざ下から都市が広がっていく感覚になります。そこで、“床上+40センチ”をデザインコードにして、“床から40センチ浮かんだような家”を提案しました。

 具体的には、壁の塗り分け、鏡、キッチンや棚の素材と色のコーディネート、棚の配置などを使い分け、40センチのラインを部屋の隅々に作っています。建具の足下も枠をまわさず、強化ガラスにしました。一番印象的なのは、リビングと寝室を隔てる壁のガラスブロックです。また、木、白タイル、黒スチール、ガラス、グリーン、ステンレスなど、Hさんから要望のあった素材をバランスよく取り入れ、空間にリズムを作りました。

 景色を切り取るような間取りや間接照明も意識しています。横浜を一望できる南面側の壁には、エアコンやコンセントを一つも設置していません。

「家とはどこまでを指すのか?」よくよく考えてみると、購入した敷地内だけでなく、周りの景観や自然なども家の一部と言えるでしょう。街そのものが持つ魅力と一緒に暮らしていくことで、より豊かな生活環境が生まれます。

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PROFILE

石井健(いしい・たけし)

1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から600件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。また「賃貸アパート改修さくらアパートメント」(東京・経堂)で2014年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)、『MUJI 家について話そう』(部分監修)、『リノベーションでかなえる、自分らしい暮らしとインテリア LIFE in TOKYO』(監修)。
ブルースタジオへのリノベーションのご相談は、隔月開催のセミナーや、個別相談で承っています。

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