リノベーション・スタイル

<140>築60年の木造戸建て、1階にも自然光を入れるには

  • 文 石井健
  • 2016年12月14日

 [北品アトリエ]
 坂井二朗さん(58歳)
 東京都品川区 築60年/35m²/総工費 900万円

    ◇

 坂井さんは広告会社のクリエーティブディレクターをしながら、作家活動もしている方。趣味の領域を超え、定期的に個展もしていることからアトリエが必要となり、自宅近くの中古の戸建てをリノベーションすることになりました。

 坂井さんが見つけたのは、もともと住宅として使われていた古い木造の家。目の前が商店街で両脇がビルに囲まれ、抜けのいい風景はありません。そこで、まずは天井にトップライトを8カ所開け、自然光が入るようにしました。こうした改装ができるのは、戸建ならでは。マンションとは違い、光の入り方そのものを変えることができます。さらに、1階にも自然光を届けるために、2階のフロアに3カ所穴を開けました。その部分だけガラス床にし、1階にも天井からの光が届くようにしたのです。

 天井はすべてはいで小屋裏を見せ、木造住宅の雰囲気をあえて出しています。こうすると天井が高くなり、開放的な雰囲気にもなります。柱、長押(なげし)などはもともとあったものを活用しました。壁周りはすべてシンプルなオープン収納です。

 坂井さんの希望は、作業台などアトリエとしてのスペースが欲しいとのことでしたので、家全体としては任意で耐震補強をしたくらい。窓、玄関、階段の位置などはほとんど変えていません。1階は粉じんが出る作業をする場所だったので、粉じんを吸い取るための業務用の排煙フードを作業台に取り付けました。もちろん業務用なので焼肉パーティなどにも使えます。ただし、実際には吸い取りが足りなかったそうで、後に解体業者が使っているものを改造して取り付けました。1階の床下収納はワインセラーになっています。

 お住まいはタワーマンションですが、毎朝出勤前このアトリエに通い、創作活動をしているとのこと。都内の空き家が年々問題になっていますが、住まいでなくとも、こういった利用方法もあるのですね。

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PROFILE

石井健(いしい・たけし)

1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から600件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。また「賃貸アパート改修さくらアパートメント」(東京・経堂)で2014年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)、『MUJI 家について話そう』(部分監修)、『リノベーションでかなえる、自分らしい暮らしとインテリア LIFE in TOKYO』(監修)。
ブルースタジオへのリノベーションのご相談は、隔月開催のセミナーや、個別相談で承っています。

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