リノベーション・スタイル

<10> 寝室とリビングのある「ワンルーム」

  • 文 石井健
  • 2013年3月13日
[ALICE](東京都港区)秋山さん夫婦 夫(40代)妻(30代)/築31年/94.22平方メートル/工事費1200万円

  • [ALICE](東京都港区)秋山さん夫婦 夫(40代)妻(30代)/築31年/94.22平方メートル/工事費1200万円

  • 玄関からリビング方向へ。ガラスの壁は、玄関側に隙間がある

  • 壁の向こう側はキッチン。130cmほどの壁にして、キッチンの手元を隠した

  • クローゼットを開けるとワークスペースが出現

  • 寝室の向こう側はテラス。明るい光が部屋全体を包む

  • イメージはニューヨークのロフト。フローリングはメープル材だ

  • 間取り図

 ご主人はロサンゼルス育ち、奥さんは香港育ち。いずれも東京の外資系企業に勤め、仕事柄、転勤も多かったとか。海外では賃貸であってもリノベーションは当たり前。おふたりとも長い海外生活から自由な住まい方を知っており、万人受けする日本の住宅事情には疑問を抱いていたようです。

「自分たちの個性にあった家を造りたい」

 リノベーションを前提に広い部屋の中古物件を探していらっしゃいました。

 おふたりのリクエストはちょっと面白くて、「広々としたワンルームにしたいけど、寝室とリビングは分けたい」というもの。「どっちだよ!」と思わずつっこみをいれたくなりますが(笑)、その望みを叶える方法をあれこれ試行錯誤してひらめいたのが、ガラスで仕切るという案です。

 住宅におけるプライバシーの捉え方にはいろいろあります。主なものは“視覚”“音”“匂い”の三つ。ベッドルームとリビングの間にクリアガラスの壁を入れると、“視覚”のプライバシーはありませんが、二つの部屋の”音”と”匂い”はある程度分けることができます。つまり、”視覚”のプライバシーをあきらめて空間を広く見せながら、”音”と”匂い”のプライバシーはそれぞれの部屋で守ることができるのです。

 そこで思いついたのがドア。存在感のあるドアをクリアガラスにはめると、心理的に「違う空間へ入った」と感じることができます。ドラえもんの“どこでもドア”みたいな感じなんです。ガラスの向こうには寝室が見えるけど、ドアを開けると実は違う場所に行っちゃうんじゃないか……なんて、つい思っちゃうんですよ。

 クリアガラス1枚で不思議と生活が切り替わります。寝室側にはカーテンレールをつけたので、お客が来るときはカーテンをひいて“視覚”のプライバシーを守ることもできるのです。

 ガラスという素材も重要な役割を果たしています。ガラスは堅いので、心理的に人をはねつける力を持っているんです。ショーウィンドーのガラスも外側と内側の世界をきっちり分けていますよね。内側にいると、守られている感じがするでしょう? 素材が透明であっても、堅さを感知することで心理的に隔たりを感じるのです。

 おふたりが「どう暮らしたいか」をとことん突き詰めることで、今まで見たこともないオリジナリティあふれる部屋が生まれたと思います。(談)

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PROFILE

石井健(いしい・たけし)

1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から500件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)

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