リノベーション・スタイル

<12> こども部屋がセカンドリビングに

  • 石井健
  • 2013年4月3日
[disch](東京都大田区)塩田さん夫婦(ともに29歳)/築27年/68.01m²/工事費615万円

  • [disch](東京都大田区)塩田さん夫婦(ともに29歳)/築27年/68.01m²/工事費615万円

  • 将来のこども部屋になる円形の土間。ポップな色使いと形が楽しい気分にさせる

  • キッチン以外はほぼ片寄の間取り。和室の奥が寝室

  • 2畳の和室は、奥さまの茶室となっている。となりが寝室

  • コンパクトで使い勝手の良いキッチン

  • 空間をダイニングやリビングと決めず、自由に使っている

  • 間取り図

 打ち合わせをしていると、「将来、子どもが生まれたら、子ども部屋はどうしようか」という話になり、ふと丸い土間を思いつきました。遊園地のような円形の子ども部屋があったら楽しそうだな、と。

 そこで、玄関スペースを広めにとって円形の土間を作り、子どもが生まれたら子ども部屋にリフォームできるデザインを提案しました。壁で仕切るので玄関は少し狭くなるけれど、今も将来も楽しめる空間になります。

 土間の床には思い切ってオレンジ色のアクリル塗装を施し、ステップをつけて遊べる空間に。壁はマグネットでポスターなどを貼れるようにスチール製にしました。図書館の子どもコーナーのようなイメージです。

 ところが、実際にできあがると「子どもにあげるのはもったいない」と気に入ってくださり(笑)、目下のところセカンド・リビングのような感じなっています。ふたりともデザイナーなので、作った作品を壁に貼って眺め、アイディアをひねる空間になっているようです。

 ご主人の希望で畳の部屋も作りました。2畳の小さな和室ですが、こもり感があり落ち着きます。今は、奥さまがお茶の先生を招いてお茶会をやっているそうです。

 和室の隣にある寝室は、上部オープンの壁と棚で仕切られています。ぐるりと回れる壁の上部はじつは、猫の通り道。猫が歩けるようにしたいという話が出たので、猫の散歩道を作りました。照明をはめ込んでいるので温かく、結果として猫のお気に入りの場所になっているようです。

 この部屋は2、3年前にリフォーム済みだったので、水回りはほとんどそのまま。ご主人は「風呂を開放的にしたい」という思いが強かったのですが、そこまで手を入れると予算オーバーになってしまいます。そこで、ご主人は10万円くらいで浴槽を買って、テラスに置くことにしました。給湯器が外にあったので、蛇口をつけてホースでお湯を入れられたんです。広いテラスで人目もあまりないし、水着で入れば問題ありません。夏はビールやスイカなどを冷やしたりもできて、意外と楽しそうですよ。

 そうやって自由な発想で生活を楽しめるといいですよね。個人的には、いつか五右衛門風呂を使ったリノベーションをやってみたいです。(談)

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PROFILE

石井健(いしい・たけし)

1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から500件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)

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