リノベーション・スタイル

<15>お気に入り照明生かしてワンルームに

  • 石井健
  • 2013年4月24日
[S.L.](東京都港区)Tさん(35歳)/築26年/54.43m²/工事費700万円

  • [S.L.](東京都港区)Tさん(35歳)/築26年/54.43m²/工事費700万円

  • インテリアの主役はご夫婦が好きな「FLOS」の照明

  • トーヨーキッチンの3Dシンク。大きくて使いやすいとか

  • 味のあるアンティークを採用した浴室のドア

  • LDKとひとつになった寝室。床の色は椅子ソファ、照明、リネン類の白やシルバー系に合わせた

  • 床は幅の広い無垢材。色合いはかなりこだわったという

  • 間取り図

 今回の特徴は、物件探しの前に“その空間に置きたいモノ”がはっきり決まっていたということ。ご夫婦が好きな「FLOS」の照明や、ソファ、椅子、ベッド、リネン類……。そういったプロダクトがあらかじめ決まっていて、それらをきれに見せるための空間を造っていきました。

「FLOS」の照明を生かすため、天井には照明をほとんど付けていません。床や壁の色は、家具の色に合わせて全体的に色のトーンを抑えています。

 間取りはとてもシンプルです。「広いワンルームに住みたい」というご希望だったので、LDKとベッドルームを一つにしてオープンなワンルームに。もともとリフォーム済みの物件だったので、水回りはそのまま使いました。キッチンは、トーヨーキッチンの3Dシンクというシステムキッチンを採用しました。内装はできるだけシンプルにしてコストを抑えつつ、その分、家具や照明にこだわった結果、お二人らしい素敵な空間に仕上がっています。

 部屋作りをするときには、彼らのように身近なものからアプローチする方法も有効なんですよ。突然、「どんな部屋に住みたい?」と聞かれても、即答できる人はあまりいません。でも、好きなコーヒーカップ、花、植物、絵、古い雑誌、本、レコードなど、部屋の中に置きたいモノならすぐに思い浮かぶはず。そこから全体のデザインを組み立てていくのです。

 例えば、料理が好きな人だったら、「こんな食器を使いたい」というのがありますよね。それを挙げてもらうと、「だったら、こういうテーブルがいいよ」「テーブルがそれなら、照明はこれ」「床はこれ」「壁はこれ」……というように、小さなものから大きいものがどんどん決まっていくのです。それを組み立てていく中で、自然とその人ならではの物語が現れてくるのです。

 ちなみに、こちらのマンションは、“地上権”付きという種類の物件です。土地の所有には“所有権”と“借地権”があり、さらに借地権には、“地上権”と“賃借権”があります。要は、地上権の場合、所有権に比べて割安でありながら、土地の登記ができるために住宅ローンが利用できるのです。物件を購入するときは、こういった知識もあるとお得な物件を見つけることができるかもしれませんね。(談)

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PROFILE

石井健(いしい・たけし)

1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から500件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)


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