太陽のまちから

「クールシェア」という発想の転換

  • 文 保坂展人
  • 2013年5月20日

 世田谷区役所では昨年、1番大きな庁舎で「長寿命節電型」の照明器具を導入しました。1灯で反射鏡がついているため、旧来の2灯式の蛍光灯と比べても照度はひけをとらない、なかなかの優れものです。電力消費量はもっとも性能のいいもので50%オフとなります。

 猛暑だった2010年と、この照明に交換しおえた12年を比較すると、夏の最大使用電力量は69%。交換に5千万円かかりましたが、31%の節電に成功したことになります。

 節電と言えば、3.11が起きた2年前、私たちは「電力が足りなくなる」との不安から、事態への対応を余儀なくされました。春の「計画停電」に続き、5月には、政府から「電力使用制限令」が発令されました。電気事業法に基づき、契約電力が500キロワット以上の大口需要家が使う最大電力を限るというもので、故意に違反すると地方自治体にも罰金が課せられたのです。

 あの夏には、「町内会による盆踊りも中止した方がいいのか」といった問い合わせもありました。震災後で祭りを自粛しようという気分に加え、「節電」の呼びかけが背景にあったものと思います。

 冷静に考えれば、「盆踊り」の行なわれる夜の電力需要は安定していて、しかも提灯はポータブル電源だったりする。地域の人々がエアコンをまわしてそれぞれの自宅にいるよりも、地域全体で見れば電力需要を抑制する効果があるのです。それよりも、「節電」の大合唱に押されるような雰囲気があったのは確かでしょう。

「電力使用制限令」を受けて、世田谷区役所でも、電力需要が逼迫(ひっぱく)すると予想される午後に区民会館や図書館などの公共施設の「一時的閉鎖」に踏み切りました。図書館の臨時閉館を解除したのは、夏本番を控えた7月に首都圏での電力供給が確保され、大規模停電の恐れが薄らいだ、とされたからでした。

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PROFILE

保坂展人(ほさか・のぶと)

1955年、宮城県仙台市生まれ。世田谷区長。高校進学時の内申書をめぐり、16年間の「内申書裁判」をたたかう。教育ジャーナリストを経て、1996年より2009年まで衆議院議員を3期11年(03〜05年除く)務める。2011年4月より現職。『闘う区長』(集英社新書)ほか著書多数。

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