リノベーション・スタイル

<22>セミオーダーのリノベで「カフェ部屋」

  • 石井健
  • 2013年6月19日
[岩永邸](東京都世田谷区)岩永忠久さん(37歳)/築37年/43m²/工事費540万円

  • [岩永邸](東京都世田谷区)岩永忠久さん(37歳)/築37年/43m²/工事費540万円

  • バルコニー側から見たお部屋。グリーンが印象的

  • 煉瓦を貼って、暖かみのあるキッチンに

  • シンプルで使いやすい洗面所

  • 写真や小物使いで、世界観を出すことができる

  • 全体的におしゃれなカフェのような空間に仕上がった

 じつはこれ、“フルオーダー”のリノベーションではなく、“セミオーダー”のリノベーション物件です。

 岩永さんは30代の独身男性。当初は、うちでリフォーム済みの売却物件を購入したいとご相談にいらっしゃったのですが、立地や値段的にちょうどいい中古物件がみつかり、ご自分で家をつくることになりました。ただ、無制限にお金をつぎ込んでこだわりの部屋をつくるよりも、こだわる所とそうでない所にメリハリをつけたいということで、“セミオーダー”を選ばれました。

 ブルースタジオには、“TOKYO*STANDARD”というセミオーダーのパッケージプランがあります。通常のフルオーダーの場合は、「そもそも暮らしとは何なのか」という、その人の暮らし方を考えるところから始まるのですが、セミオーダーの場合は、間取りの話から始まります。床材や壁など材料はすでにプリセットで決まっていて、その中から選ぶことになります。間取りは自由ですが、お風呂はユニットバスで、キッチンは僕らが独自にデザインしたシステムキッチン。もちろん色々とカスタマイズもできますが、その場合は少し高くなります。一般的なハウスメーカーの“注文型”と言われる設計に近いですね。打ち合わせも少ないので、通常より2カ月ほど早く、コストパフォーマンスも高く仕上がります。

 岩永さんの場合は、カフェっぽいおしゃれな空間にしたいというご希望があったので、まず部屋の間仕切りを全部取り払い、広々と明るい空間を作りました。キッチンにはレンガを貼り、暖かみを出しています。キッチンの向かい側の壁は白い漆喰で、塗り方にこだわっていらっしゃいました。

 ベースはシンプルですが、フォトフレームで遊んだり、プロの方に植栽をお願いしたりなど、岩永さんのセンスが生かされたお部屋になっています。

 セミオーダーは制約がありすぎると考える方もいますが、逆にこだわる部分にメリハリをつけたい場合やどうしたらいいのかわからない場合は、簡単に心地のいい空間を作ることができます。今回のように、ベースとなるシンプルな内装がまずあって、後からインテリや家具を使って自分の空間を作り上げて行くのも部屋作りの一つの方法です。

 都心で、満足のいく中古物件を低価格でリノベーションをする……。セミオーダーのリノベーションなら、すべてのバランスを上手くとりながら心地よい住まいを手に入れることができるでしょう。

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PROFILE

石井健(いしい・たけし)

1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から500件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)

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