リバースプロジェクト

宮城産「三陸カジキ」をトルティーヤに ep.6

  • 2013年7月29日

写真:「三陸カジキのラップロール」「三陸カジキのラップロール」

写真:宮城県を担当する栗原友宮城県を担当する栗原友

「震災直後のゴールデンウィークに、炊き出しのボランティアをやっている知り合いと一緒に牡鹿半島(宮城県)の先端に行きました」

 そう話すのは料理家の栗原友(38)。母は栗原はるみ、弟の心平も料理家という料理一家に育ち、旅行や留学中に出合った海外の味を日本でも簡単にアレンジできるレシピを紹介している。

「被災地では炊き出しをしたり、服や布団などの救援物資を手渡したりしました」

 東北の復興支援を目的とした「東北6県ロール」の話が舞い込んだ時、栗原は迷わず「宮城県」を選んだ。震災直後に足を運んだときの印象が強く残っていたからだ。

 数ある宮城の特産品から、栗原が選んだ食材は三陸カジキ。

「いずれは道の駅やサービスエリアなどで販売される可能性もあると聞いたので、特に流通のことを意識しました」

 せっかくのレシピも、入手困難な食材を使ってしまっては誰もが気軽につくることができなくなる。三陸カジキであれば、旬の時期以外でも冷凍物が出回っているため、1年を通じて安定して入手できる。

「冷凍物も試食したら、身がしっかりして脂も乗っていて美味しかったです」

 栗原は三陸カジキをカレー粉で味付けしたものに、トマトソース、バジル、クリームチーズなどを加え、米粉のトルティーヤでラッピング。「三陸カジキのラップロール」が完成した。

「外国に行くと、いろんな具材や味付けのサンドイッチを食べる機会が多く、私自身大好きなので、このラップロールでも異国っぽさを意識しました」

 なかでも興味があったのは宮城県産のバジル。レタス、トマト、パプリカ、アーリーレッドなどの野菜も、トルティーヤに使われる米粉も全て宮城県産を使っている。

「もっちりした食感にしたかったので、何度も米粉の配合を変え、ようやく納得のいく生地ができました」

 栗原は今、料理家としての活動のかたわら、築地場外の水産会社で働いている。苦手意識のあった魚のことをもっと学びたいと思い、社長に直談判して修行を始めてから2年目になる。いまでは、大の魚好きになったという。

 店には連日、三陸をはじめとした東北の海産物が入荷する。栗原自身が店頭に立ち、宮城県気仙沼産の牡蠣(カキ)を使った「ど根性牡蠣」を客に勧めることもあるという。

「お客さんから『被災地支援の気持ちも込めて買います』と声をかけられることもありますよ」

 栗原としても、店頭で東北の新鮮な魚介類を扱うことに喜びを感じている。

「また現地に足を運びたいとは思っていますが、今回のプロジェクトのようにレシピを考えたり、築地で東北の魚介類の良さを伝えたりと、私なりにできることがあると思いますし、そういうことを続けることで支援できればと考えています」=敬称略(つづく)

(ライター 吉川明子)

リバースプロジェクト

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PROFILE

伊勢谷友介

リバースプロジェクト

俳優、映画監督の伊勢谷友介が09年に株式会社リバースプロジェクトを設立。東京芸術大学の同級生らとともに、デザインで、社会的に利用価値が低いとされているものに新たな命を吹き込み、よみがえらせる「再生プロジェクト」を展開している。原発事故で見送られた卒業式を飯舘村の子どもたちにプレゼントするなど、社会貢献につながる「元気玉プロジェクト」なども活動している。

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