夏の野外音楽イベント「ap bank fes」=写真はすべてap bank提供
ナチュラルなデザインで大人気のap bankフェスTシャツ
タオルもプレオーガニックコットン製
ap bank fesでプレオーガニックコットンの製品が並べられたブース
夏の野外音楽イベント「ap bank fes」=写真はすべてap bank提供きっかけは、Mr.Childrenのデビュー15周年だった。2007年、全国ツアー(28公演)や、さまざまなミュージシャンを招く夏の音楽イベント「ap bank fes」で、記念のコンサートグッズに新しい素材が使われた。オーガニックコットン。少なくとも3年間、化学肥料を使わずに栽培された綿だ。
仕掛けたのは江良慶介(37)。一般社団法人「APバンク(ap bank)」代表理事で音楽プロデューサー、小林武史(54)の右腕であり、ap bankが掲げる環境保全や持続可能な社会づくりを実践する「KURKKU(クルック)」のディレクターだ。
クルックが手がけたオーガニックコットンのTシャツとタオルはこの年、あわせて50万枚が売れた。
「日本全体で扱うオーガニックコットンの3分の1を消費したことになります」
仕入れ先だった伊藤忠商事の担当者から、そう聞かされた。
じつは、それまでは、リサイクルコットンを使っていた。
もっと、地球にやさしい素材はないのか。インターネットでリサーチしたり、スタッフとアイデアを出し合ったりして議論を重ねた。そのなかで知ったのが「オーガニックコットン」の存在だった。調べれば調べるほど、もっとも環境にいいと確信して採り入れたのだった。
Mr.Childrenの人気がどんなにあるとしても、たったひとつのバンドのグッズによる消費量が日本全体の3分の1にものぼるというのは、いかにオーガニックコットンが流通していないかの証しでもある。世界でも、綿製品全体のなかに占めるオーガニックコットンの消費量はわずか0.7%という。
「なぜ、使われないんでしょうか?」
江良がたずねると、伊藤忠の担当者から返ってきたのは、意外な答えだった。
「オーガニックコットンといっても、アレルギーがある人たち向けの肌にやさしい商品というぐらいの認識しかもたれていないのが現実です。だから、いきなり消費量を増やそうとまでは考えていません」
そう聞いたものの、江良は腑に落ちなかった。これだけ肌触りもよく、しかも環境への負荷が小さい。素材のよさを発信することで、もっと市場を広げていけないか。その思いを強くしていた。
「オーガニックコットンのよさを伝えたいというなら、現地の農家を訪ねて、綿栽培の実情を知るべきじゃないか」
Mr.Childrenのプロデューサーで、クルックの社長でもある小林は言った。そうだ、インドに行こう。江良は決めた。Mr.Childrenの全国ツアーが終わってまもない、07年秋のことだった。=敬称略(つづく)
子どもから大人まで楽しくスイーツ作り!電源不要のローリングアイスボール
蒸し暑い夏を乗り切るためのヒット商品をセレクト