リノベーション・スタイル

<33>日本人がロンドンで造ったような和モダン

  • 文 石井健
  • 2013年9月11日
[すぎむら](東京都新宿区)杉村さん(35歳)/築14年/66.97m²

  • [すぎむら](東京都新宿区)杉村さん(35歳)/築14年/66.97m²

  • 小窓つきのバスルーム。縦にスリットの入った壁の向こうには茶室風書斎が

  • シンプルなバスルーム。この浴槽につかりながら夜景が見える

  • 美しい影を作る照明が印象的なベッドルーム

  • 青い壁面タイルが印象的なキッチン

  • 部屋全体に洗練された和の雰囲気が漂う

  • 間取り図

 どんな部屋にしようかと最初に話し合ったとき、杉村さんの中には「外国人が住んでいるような和風建築の家」という漠然とした世界観がありました。たとえていうと、京都の俵屋旅館のような雰囲気です。和なんだけど和じゃない、みたいな……。障子があるべきところがガラスになっているような、モダンな和です。

 それってどういうことかとイメージをさらに突き詰めていくと、杉村さんはある日、「僕はこんな料理を作るんです」と、料理の写真を持ってこられました。酒の肴だったのですが、割烹料理屋のような和食器に入れられ、おしゃれなんですよね。友達を呼んで、そんなおつまみをつまみながら酒を飲む……。そこからイメージがどんどん広がっていきました。

 そんなわけで、間取りは、水回りを中心に集めた“センターコア”のオーソドックスな形ですが、ところどころに和の要素を取り入れました。たとえば、壁は白い左官仕上げに。玄関スペースには、いぶし竹を使った仕切りを作りました。

 水回りを集めた個室は「東屋」のような雰囲気で、壁には窓がついていますが、ここを開けるとバスタブがあります。じつはこのお部屋は新宿の副都心が目の前に広がり、夜景がものすごく美しいんです。映画の『ロスト・イン・トランスレーション』状態。なので、お風呂につかりながら夜景が眺められるようにしたんです。

 お風呂の窓のとなりに、スリットが二つ入っていて、ここには「茶室風書斎」が隠れています。横にあるにじり口をくぐって中に入ると、狭い個室があるんです。まさに「起きて半畳、寝て一畳」というような空間なんですが、不思議と落ち着きます。来客にも意外と評判がいいようですよ。

 リビングや寝室はミモザのフローリングですが、玄関スペースは土間にしました。墨をまぜたモルタルで塗ってあり、色合いが通常より黒くなっています。ただ、白い粉のようなアクがふくので、まさに硯(すずり)のような独特の風合いです。

 シーリングライトはなく、照明は壁の間接照明とペンダントライトだけ。

 シンプルモダンで、最終的には「日本人がロンドンで造った部屋」みたいになったかもしれませんね(笑い)。

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PROFILE

石井健(いしい・たけし)

1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から500件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)

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