リノベーション・スタイル

<38>53m²なのに広く明るい五つの理由

  • 文 石井健
  • 2013年10月16日
[C](東京都大田区) Sさんご夫婦(夫31歳、妻29歳)/ 築35年 / 53.25m² / 800万円

  • [C](東京都大田区) Sさんご夫婦(夫31歳、妻29歳)/ 築35年 / 53.25m² / 800万円

  • ルーフバルコニーへ続く部屋一面の窓から光が入る

  • キッチン、ダイニングの床は玄関から続くモルタル仕上げ

  • 玄関をあけると、一段上がったところにリビングがある

  • 間仕切り壁で作ったベッドルーム。適度なこもり感が心地良い

  • ミニマムかつ使いやすい水回り。洗面台はイタリア製

 コンパクトな空間をいかに広く見せるか。日本に住む多くの人が考えることだと思いますが、Sさん夫妻のリノベーションもそれが一番大きなテーマでした。

 池上線御嶽山駅という落ち着いた場所で見つけた物件は53m²。3人家族(施行当時は2人)にしては少し手狭かもしれませんが、部屋と同じくらいの大きさのルーフバルコニーがあります。さらに角部屋なので2方向から光が入り、かなり明るい。作ろうと思えばたくさん個室も作れるのですが、広さを感じられるよう、部屋全体をワンルームのように使うことにしました。

 ただ、空間としてはつながっていても、キッチンやダイニングとリビングは独立した雰囲気を出したいという希望がありました。そこで、ダイニングやキッチンがある空間とリビングの間に1mほどの間仕切りを作り、ゾーニングを明確にしました。ダイニングのテーブルに座ると、四方を囲まれているような、こもり感があります。視線は抜けていますが、「違う空間」であることを感じられるんです。

 また、玄関からキッチン、ダイニングまでの床はモルタル仕上げの白塗装でつながっています。素材を揃えたので、より一体感が感じられます。

 一方、リビングは一段高さを上げたナラ材のフローリングにしました。部屋の中心に珪藻(けいそう)土の白い大きな壁がありますが、その裏がセミオープンの寝室とクローゼットになっています。寝室はベッドの大きさに合わせた、2.5畳程度のミニマムな空間。ただし、ルーフバルコニーへ面した窓があり、天井との間に抜けもあるので狭さは感じません。

 クローゼットの向かいはバスルームや洗面所、トイレといった水回りが集まったスペース。クローゼットと一体で使えて動線もスムーズです。将来的に必要になれば、リビングの半分を個室にすることも可能です。

 ワークスペースは、壁側に天板をパイプで吊るして造作しました。柱や梁(はり)、配管の都合で生まれたニッチを活用し、収納スペースまで作ることができました。

 ワンルームとして大きく空間を使いながらも、素材の違いや段差、間仕切りを効果的に使えば空間をゆるくゾーニングし、気分を変えることができます。いろいろなシチェーションでも応用ができるテクニックですね。

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PROFILE

石井健(いしい・たけし)

1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から500件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)

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