太陽のまちから

「原発ゼロ」担う「ご当地電力」の潜在力

  • 文 保坂展人
  • 2013年10月15日

 大飯原発が定期検査のために止まり、「原発」ゼロを迎えている今、ふたたび首相官邸前では、多くの人々が声をあげはじめました。福島第1原発事故という未曾有の危機を経験したにもかかわらず、政府や財界主流は「原発再依存」をめざして「輸出」と「再稼働」を急いでいます。

 一方、「脱原発」をめざして、私たちの暮らしの中でエネルギー転換をしたり、自然エネルギーを活用したりしていこうという動きも着実に広がりをみせています。このコラム「太陽のまちから」でも、世田谷区の取り組みを中心にたびたびその動きを伝えてきました。

 エネルギー事業の「地域間連携」をキーワードに、住宅都市である世田谷区と自然環境豊かな地方自治体を結ぶ試みを準備しています。電力の小売り自由化をにらんで、地方で興されたエネルギー事業を応援し、新電力(PPS)等を媒介として都市で購入する構図を描いています。

 この夏、デンマークのロラン島を訪れ、島で使用する電力の5倍を発電して、余剰電力をコペンハーゲンや北欧各国、ドイツ等の周辺国に供給している様子を見てきました。

 日本での自然エネルギーが、いまだに電力供給量のわずかなシェアでしかないのは、電力会社によって送電網が占有されていることに大きな原因があります。自然エネルギーで発電しても送電線をシャットアウトされてしまえば、事業として成立しません。

そのために「発送電分離」は欠かせません。民主党政権から自民党政権へと引き継がれた「電力自由化」のシナリオはいつ、どこまで実現するのか不透明なところはありますが、これまでのように電力業界の力で換骨奪胎させないために、「半自由化」とも呼ぶべき現状でも可能なエネルギー転換を地域から行なっていくことが重要だと思います。

 そうした現実的な施策を進めるには何が必要なのか。どんなことができるのか。知恵を出し合い、未来を探ろうと19日、「世田谷からはじまる未来のエネルギー生活」と題するイベントが世田谷区民会館で開かれます。第1部のシンポジウムは「ご当地電力大集合in世田谷」。バイオマス発電による町おこしが話題となっている「バイオマスタウン真庭市」(岡山県)、市民出資による発電事業を展開している「しずおか未来エネルギー」、地元企業・経営者たちがスタートさせた「小田原電力」、メガソーラーを美術館のように活用する「うどん県電力」、そして世田谷区の取り組みなどについて議論がかわされます。全国各地で実際に稼働している「ご当地電力」の実情を知る貴重な機会となるでしょう。

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PROFILE

保坂展人(ほさか・のぶと)

1955年、宮城県仙台市生まれ。世田谷区長。高校進学時の内申書をめぐり、16年間の「内申書裁判」をたたかう。教育ジャーナリストを経て、1996年より2009年まで衆議院議員を3期11年(03〜05年除く)務める。2011年4月より現職。『闘う区長』(集英社新書)ほか著書多数。

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