太陽のまちから

保育めぐる本音 リアルな声に耳を澄ませば

  • 文 保坂展人
  • 2013年11月5日

 土曜日の午後、幼い子どもを連れたお母さんたちが会場となるカフェに次々とやってきます。久しぶりの私のツイッターのフォロワー・ミーティングです。同じ建物にある「子育て広場」に保育をお願いしたので、お子さんを預ける方も多く、子育て世代を中心に、生まれて数カ月の乳児を抱いたお母さんから、保育園の園長さんや保育士さん、独身の男性や女性など約30人が集まりました。

 フォロワー・ミーティングを思い立ったのは昨年春のことでした。実際に開いてみると、議論するテンポが早く、内容の濃いやりとりがなされるので、数カ月に1回の間隔で7回ほど重ねてきました。とくに、今回のテーマに選んだ「子育て・教育」は関心が高く、これまでにも世田谷区内で場を変えながら3回開いてきました。

 従来の集会や懇談会というのは、主催者の挨拶から始まり、テーマとなる課題の説明や講師の報告などが1時間から1時間半ほどあり、それから参加者との意見交換になるということが多くありました。

 しかも、2時間半から3時間ほどで終えると決めている場合、意見交換の時間もおのずと限られます。また、課題に対しての知識や認識がバラバラのため質疑が網羅的になりやすく、時にはテーマとかみあわなくても自分の意見を一方的に述べる人もいて、意見交換が思うように進まないケースも少なくありません。

 多くの場に顔を出してみたものの、「課題を共有する」「議論を深める」「解決の方向性を探る」と段階を踏んでステップ・アップするように展開させるのはとても難しいと感じてきました。

 ところが、ツイッターのフォロワーであれば、おおむね「課題を共有」しています。そして、「子育て・教育」というテーマであれば、どんな話を聞きたいか、何を語りたいのかをあらかじめ考えている方が多いように思います。そこで、従来、1時間から1時間半も費やしていた「課題の共有」のための時間は10分もあれば済んでしまうのです。

 今回は、4人から5人ほどのグループに分かれて座ってもらいました。冒頭に「自己紹介タイム」をとっただけで、それぞれのテーブルが盛り上がりはじめました。さらに、テーブルに座る人の組み合わせを変えて、多くの人たちが意見交換できるようにしました。こうして、参加者同士が問題意識をぶつけあい、 課題を整理していきます。

 最後には、最初のテーブルに戻ってもらい、参加者がそれぞれ別のテーブルで話してきたことを持ち寄って、意見をとりまとめてもらいます。こうすることで、参加者全体の意見が織りなされ、ひとつながりの言葉となっていきます。まさに「熟議」と呼んでもいいかもしれません。

「待機児童を減らすために幼稚園を活用して、『預かり保育』を増やしたりはできないか」「働き方が多様化してきていて、短時間保育や週に何日かの限定保育など、制度とうまく合わないのが悩み」といったように、保育の多様化を望む声が続きました。

「学校が落ちつかなくなる背景には、所得格差が拡大していることがあると思う」「教える側の先生、保育士の質をどうしたらあげていけるのか」と、教育や保育の現場が抱えるリアルな問題も語られました。

 たとえ断片的であれ、親の立場や保育の現場から生の声を聞くことは、私にとってはとても貴重です。つきつめて語り合っていくと、「子どもにとって自己承認や自己肯定がいかに大切か」「これからの時代に役に立つ学力とは何か」という教育論になだれこんでいきます。私自身が、自分自身の青年期に苦悩しながら格闘してきた点でもあり、世代を超えて熱く語り合う場をこれからもどんどん持ち続けていきたいと思います。

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PROFILE

保坂展人(ほさか・のぶと)

1955年、宮城県仙台市生まれ。世田谷区長。高校進学時の内申書をめぐり、16年間の「内申書裁判」をたたかう。教育ジャーナリストを経て、1996年より2009年まで衆議院議員を3期11年(03〜05年除く)務める。2011年4月より現職。『闘う区長』(集英社新書)ほか著書多数。

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