リノベーション・スタイル

<42>黒板塗装の壁でLDKと遊びスペースに

  • 文 石井健
  • 2013年11月13日
[M邸](東京都渋谷区) Mさん一家(夫36歳、妻33歳、長男1歳)/築37年/79.94m²/工事費800万円

  • [M邸](東京都渋谷区) Mさん一家(夫36歳、妻33歳、長男1歳)/築37年/79.94m²/工事費800万円

  • 黒板塗装の壁の右側がウォークインクローゼットと子ども部屋、左側が水回りやキッチン、リビング

  • リビング側は黒い壁ですっきりと大人っぽく

  • トイレなど水回りの床はすべて同じタイルに揃えた

  • サニタリーは最小限の空間をシンプルに使いやすく設計

  • ウォークインクローゼットの収納量はたっぷり

  • 玄関から入って右側がトイレなど水回り、左側がウォークインクローゼット

 ブルースタジオのパッケージプラン「TOKYO*STANDARD」を使ったリノベーションです。Mさんご夫婦はもともと同じマンションに賃貸で住んでいらっしゃいました。都内にある築37年のマンションですが、敷地内に公園があったり、駐車場の上に人工芝が敷かれていたり、植栽があったり。共用部分が充実していて管理が良く、とても気に入っていたそうです。

 そこで、空室が出るとすぐにおさえ、新たにリノベーションをして住むことにしたのです。

 パッケージプランなので、素材や器具は基本的にプリセットから選びますが、間取りは自由です。Mさんご夫妻は玄関から入って右半分は水回りを集めたプライベートスペースに、左半分は思い切ってすべてクローゼットや収納スペースにしました。

 左半分は縦長のウォークインクローゼットです。ハンガーパイブや造作した棚を置き、かなり収納量があります。そして、この部屋の特徴でもあるのですが、そのウォークインクローゼットの延長線上に黒い壁を立てました。

 この壁を挟んで片方が子どもの遊びスペース、片方がLDKと分けられています。黒い壁は子どものおもちゃなどをリビングダイニングから隠すためですが、将来的は子ども部屋にすることを考えています。壁は流行しつつある黒板塗装です。何かを描くためというより、質感が好きで使うケースが最近は多いですね。

 バルコニー側の窓には、タイルを敷いて小さなインナーバルコニーを作りました。室内に外の空気を持ち込むことができます。ここでサンダルを脱げば雨で濡れませんし、台風のときはベランダの植物を一時的に置くことができて便利なんです。インナーバルコニーはパッケージプランに標準でついています。

 キッチンやバスルーム、トイレの床も同じタイルです。廊下とリビングダイニングはフローリングですが、廊下のトイレ、バスルーム側はタイルがフローリング部分に少しはみ出た形になっています。そうすることで、廊下にアクセントがつき、さらに壁の向こう側に水回りの設備があることを予感させます。

 廊下とLDKの間にはガラスの扉をつけ、冷暖房を効きやすくしました。キッチンのタイルは少し表面がボコボコとしていて変わっています。これはMさんが別途発注したものです。玄関のレンガがクラシカルで素敵ですが、これは既存のものをそのまま残しました。

「TOKYO*STANDARD」はオリジナルの世界観をつくることはできませんが、間取りは自由なので、このように個性的な部屋作りもできます。削ぎ落としていくのが得意な人、家具やインテリアが決まっていて、「室内はあくまで背景」と捉えている方には、こういったプリセットのリノベーションもおすすめですよ。

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PROFILE

石井健(いしい・たけし)

1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から500件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)

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