リノベーション・スタイル

<44>半世紀前のアメリカ西海岸スタイルで

  • 文 石井健
  • 2013年11月27日

 [tama,syu]

 仲川さん一家(夫37歳、妻31歳、長女1歳)
 東京都練馬区
 築29年 / 80.30m²
 工事費 1600万円

 仲川さん夫婦の物件探しの条件はとても明確で、「石神井公園に近い」ということでした。おふたりは結婚してから石神井公園に近い賃貸マンションに住んでおり、その辺りがとても気に入っていたんです。

 ただ、公園の近くはやはり値段が高い。そこで少しエリアを広げ、この低層マンションを見つけました。築30年ほどですが、新耐震基準で造られており、管理が行き届いていてきれい。中古マンションの物件としてはある意味、理想です。

 おふたりとも北欧好きとのことで、家もその世界観で作りたいとのことでしたが、話を聞いていると「北欧じゃないんじゃないかな?」と思い始めて。そこで、僕らの方からアメリカ西海岸の「ケース・スタディ・ハウス」のような世界観を提案しました。

「ケース・スタディ・ハウス」とは、1945年から66年にかけて、主にロサンゼルスで行われた実験的住宅建築プログラムのことです。雑誌『アーツ・アンド・アーキテクチャ』がスポンサーとなって、当時の新進気鋭の建築家たちが住宅をいくつも建てました。当時のカリフォルニアは人口が急増して住宅の需要が高まっていました。そんなアメリカの高度成長期の豊かな生活を象徴する「ケース・スタディ・ハウス」の色やテイストが合うんじゃないか……。

 うまく言葉では表せないのですが、そんな直感がありました。すると、ご夫婦もおもしろがってくれて、その方向で全体をまとめていくことになったのです。

 床は、もともとフローリングにはできない物件だったので、コルクタイルにしようと考えました。ところが、それもNGとなったので、青い絨毯を敷くことにしました。リビングの絨毯(じゅうたん)は発色重視でウール、小上がりの絨毯は触り心地を優先してナイロンに。だから同じ青でも微妙に色が違うんです。水回りだけタイルを貼っています。

 キッチンや収納棚、本棚、机などはすべて造作しました。おそらく購入された家具はソファと椅子くらいじゃないでしょうか。収納スペースを造作してしまうと、とてもすっきり見えますよね。リビングの窓側にはタイルを貼ってインナーテラスを造りましたが、そこの棚には飼い犬のトイレも造り込んだので、家具の中にとけ込んでいます。

 ご主人は自宅でデザイン関係の仕事をしているので、仕事部屋へ続く壁は会社のテーマカラーである若草色にペイントしました。この若草色の“森”を抜けると、青いアーバンな生活空間が広がる、というイメージです。色やスタイルを部屋によって切り替えることで生活にもメリハリがでてきます。

つづきはこちら

このエントリーをはてなブックマークに追加
mixiチェック

PROFILE

石井健(いしい・たけし)

1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から500件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)

おすすめ

中古マンションの選び方、リフォームの予算の立て方など、自分好みの家に暮したい方必見!

庫内温度は5度から55度まで自由に設定可能。電源ケーブルを差し替えれば、車のシガーソケットでも使用できる便利な小型保冷温庫

車のサンバイザーに取り付ける車載用Bluetoothスピーカーを使えば、運転中の通話も快適

靴のしっかりしたフィット感と、サンダルの涼しさ、手軽さを併せ持った水陸兼用サンダル

有効画素数3635万。ニコンのデジタル一眼史上最高画質を実現した「D810」

高層階で贅沢な朝食、華やかなラウンジでのんびりティータイム…


Shopping

  • ダイバーシティープロジェクト