ブランド支える日本人集団 NYで高評価

  • 2013年4月16日

写真:大丸製作所2のスタッフたち。中央が大丸隆平大丸製作所2のスタッフたち。中央が大丸隆平

写真:大丸製作所2、三陽商会と協業したクリーチャーズ・オブ・ザ・ウインドの最新作=いずれも2月、ニューヨークで、大原広和氏撮影大丸製作所2、三陽商会と協業したクリーチャーズ・オブ・ザ・ウインドの最新作=いずれも2月、ニューヨークで、大原広和氏撮影

 活躍の舞台はニューヨーク。日本人ならではの繊細さと根気強さを生かし、ファッションショーに登場する服を作っている若者たちがいる。ラルフローレンやトム・ブラウンなど、トップブランドの仕事を請け負う彼らを、現地に訪ねた。

30代中心の15人「大丸製作所2」

 世界金融の中心地であるマンハッタンの中に、服地の店や縫製作業場が集まる「ファッション・ディストリクト(地区)」がある。音楽とスポーツの聖地、マディソン・スクエア・ガーデンにほど近い雑居ビルに、「大丸(おおまる)製作所2」のプレートが掲げられていた。

 約90平方メートルの作業場に、ミシンやアイロンが並ぶ。働くのは30代を中心にした15人の日本人だ。縫う作業とアイロン掛けを交互に繰り返し、デザイナーから渡されたデザイン画から衣服を作り上げていく。代表の大丸隆平(35)は「何度もプレスを重ねて立体的に仕上げると、服の顔つきが変わってくる」と話す。

 袖の付け根の微妙なカーブを実現するために芯地を自作するなど、「ちょっと違う」作業を積み重ね、差別化を図ってきた。

 大丸は福岡市の高校を中退して洋裁の道に入った。文化服装学院を卒業後、コムデギャルソンのパタンナーなどを経験。あるブランドの誘いを受けて渡米し、2008年に独立した。

 日本の専門教育による確かな技術が評判を呼び、20ブランドから年に1200体以上の製作を請け負う。今年1月、ミシェル・オバマ大統領夫人が着て話題になった、トム・ブラウンのコレクションも手がける。

 大丸は時に、注文を受けたデザインを勝手に変更してしまうことがある。「絶対に可愛い服を作るという信念があればデザイナーにも伝わる。彼らの期待を超える仕事を心がけている」

 またパターン作りにとどまらず、最近はファッションビジネスのコンサルティングにも踏み出した。

 アート性を感じさせる服作りで注目の新星、クリーチャーズ・オブ・ザ・ウインドには、服地などのコストをにらみながら商品のラインアップについて助言する。量産にあたっては、高い技術力を持つ日本の三陽商会を引き合わせ、3者協業で今秋からコートを売り出す。海外から日本へ仕事を持ち帰った格好だ。

 クリーチャーズのデザイナーは「彼らはとても繊細で理解力が高い。最高の職人集団であり、その力添えなくして私たちの服作りはありえない」と評する。

 経営は決して楽ではない。だが大丸は「安さを追い求める余り、服作りの過程を省いていく風潮には疑問を感じる。価格で中国と勝負するのではなく、もの作りの水準で世界と勝負したい」と心意気を語った。(中島耕太郎)

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