【動画】胃がん検診について、新潟県立がんセンター新潟病院・成沢林太郎医師の解説です

 胃X線検査による胃がん検診の対象は、基本的には内視鏡と同じです。厚生労働省の指針は、50歳以上の人に2年に1回の間隔で受けていただくことを推奨しています。ただ、これまでの経緯もあり、当分の間は40歳以上の方が1年に1回受けてもいいということになっています。受けられる場所も内視鏡と同じで、それぞれの自治体が契約している医療機関などです。

 X線については、従来の胃がん検診ガイドラインですでに、検診を受けることで死亡率が減少することが認められていました。指針が改定されても、そのことは変わりません。新たに内視鏡が認められたので、どちらを受けてもいいという形になりました。

 X線と内視鏡と、どちらが死亡率減少効果がより大きいのか。私たちがかかわったデータでは、内視鏡のほうがより減少効果が大きいという数字でした。ただ、内視鏡検査を受けるのは苦痛だという人もいます。X線の方が楽だという方には、X線を受けていただいて構いません。どちらであっても、受けることで死亡率が下がるという根拠はありますので、受けたい方を受けていただければと思います。

 X線検査にも危険や不利益はあります。バリウムを飲んでいただくので、その際に誤嚥(ごえん)が起きてしまうことがあります。ご高齢で飲み込む力が落ちている方などは特にご注意ください。また、バリウムは便から排泄(はいせつ)されますが、人によって便秘になったり、腸閉塞(へいそく)という状態になってしまったりすることもまれにあります。

 X線検査は放射線被曝(ひばく)が心配されることがありますが、1年に1回ないし2年に1回程度の胃がん検診であれば、問題になるような被曝はないと考えていただいて結構です。

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<アピタル:インタビュー・アピタルがんインタビュー> http://www.asahi.com/apital/channel/interview/

田村建二

田村建二(たむら・けんじ) 朝日新聞編集委員

1993年朝日新聞入社。福井支局、京都支局、東京本社科学部、大阪本社科学医療部次長、アピタル編集長などを経て、2016年5月から編集委員。