2016年12月22日08時26分
9歳の長女。あごが小さく歯が大きいため、歯並びがずれている「乱ぐい歯」になっています。かかりつけの歯科医院で近い将来、上下の永久歯を2本ずつ抜いて矯正した方がいいと勧められました。健康な歯を抜いて大丈夫でしょうか。(福岡県・H)
【答える人】鈴木聖一(すずきしょういち)さん 東京医科歯科大准教授=東京都文京区
乱ぐい歯の原因は。
歯が大きい、もしくはあごが小さいことで、歯がきれいに収まるスペースが足りなくなった状態で起きます。
そのままにしておくとどうなりますか。
歯ブラシが歯にうまく当たらず、虫歯や歯周病になることがあります。また、上下の歯がきちんとかみ合っていないことで、かむ位置が不安定になったり、特定の歯だけ強く当たって歯茎が後退したりすることがあります。
治療法は。
歯並びやかみ合わせの改善には矯正歯科治療が有効です。あごの発育の調整と歯並び、かみ合わせの修正をします。上下のあごの大きさのバランスが悪い場合、専用器具を使い、上あごと下あごの発育の調和を図ります。あごが成長している8~12歳前後までに治療する必要があります。永久歯が生えそろう小学校高学年ごろからは、ワイヤなどを使い、歯並びやかみ合わせを中心に改善します。
始める時期は。
早い方が選択肢もより多いと思います。ただ、あごや歯並びの状態、成長の度合いは一人ひとり違います。歯科医も治療計画を作り、成長を観察しながら最善の治療時期を探っていきます。上下の前歯4本が永久歯に生え替わったころ、一度見てもらうのがいいでしょう。
抜歯もするのですか。
適正な歯並びやかみ合わせを得るのに必要な隙間をつくるため、抜歯することがあります。乱ぐい歯以外に出っ歯や受け口の治療でも行います。抜いた跡の隙間は歯が移動して徐々に埋まっていきます。抜歯後もかみ合わせがうまくいくよう矯正するのでかむ機能には影響しません。
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