50代の女性。強度近視で過去に両眼とも網膜剝離(はくり)の手術を受けました。強度近視の人は白内障や緑内障などになりやすいと聞きました。将来的に失明しないか心配です。そうならないために、今のうちにできることはないでしょうか。(東京都・M)

 【答える人】 大野京子(おおのきょうこ)さん 東京医科歯科大学教授(眼科学)=東京都文京区

Question強度近視とは。

Answer目に入った光がちょうど網膜の上で像を結ぶ状態が正常ですが、近視の場合は網膜の手前で像が結ばれ、ものがぼやけて見えます。眼球の前後方向の長さ(眼軸長〈がんじくちょう〉)は約24ミリが成人の平均ですが、27ミリ以上に伸びてピントが合わない状態が強度近視です。強度近視の目安としては、指を遠くから目の前に近づけてきて、11センチまで来ないとはっきり見えない状態です。

Question原因は何ですか。

Answer遺伝的な背景が大きいと考えられていますが、はっきりわかっていません。眼軸長が長くなることで、網膜が突っ張って網膜剝離(はくり)が起こったり、網膜の中心部にあたる黄斑部が伸びて合併症が起きたりします。黄斑部に出血が起きると、突然の視力低下やものがゆがんで見えるなどの症状が起こります。病的な血管の増殖を防ぐ薬で治療しますが、視力の改善は3分の1程度にとどまっています。

Questionそのほかの症状は。

Answer最も注意が必要なのは緑内障です。強度近視の人は発症率が3倍以上高いというデータがあります。早期は自覚症状が乏しく、視野がほとんど欠けた末期に見つかることも多いので、社会生活への影響が強く出ます。早期発見できれば眼圧を下げる点眼薬で進行を緩やかにすることもできるので、症状がなくても年1回は眼科で定期検査を受けることをお勧めします。

Question日常で心がけるべきことはありますか。

Answer強度近視の人は眼球が弱く、ちょっとした圧力がかかっても眼底出血を起こすことがあります。目をぶつけたり、こすったり、ぎゅっとつぶったりしないよう、気をつけることも重要です。

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