小学5年生の孫の男の子。1年生のころに網膜色素変性症と診断されました。視力に問題はありませんが、暗がりで見えにくくなっています。治療法はないと聞きますが、進行を遅らせる助言をお願いします。日常生活や栄養面での注意点はありますか。(栃木県・M)

 【答える人】 高木誠二(たかぎせいじ)さん 神戸アイセンター病院医師(眼科)=神戸市中央区

Questionどんな病気ですか。

Answer網膜の中の光を感じる「視細胞」が変性し、機能しなくなる病気です。暗い所で見えにくくなり、視野が狭くなっていきます。一般的に症状はゆっくり進み、やがて視力が下がります。患者は4千~8千人に1人ほどで、症状の個人差が大きいです。

Question原因は。

Answer視細胞の構造や機能を保つ遺伝子の異常です。関係する遺伝子は50個ほど分かっています。ただ、必ず遺伝するわけでなく、家族に患者がいない人もいます。遺伝が気になる場合は、正しく理解することが必要で、医療機関で遺伝カウンセリングを受けることを勧めます。

Question治療法は。

Answer 進行を止める治療法はありません。暗順応改善薬が使われたり、ビタミンAやE、DHAが良いと言われたりしますが、効果は科学的に十分確認されていません。当院では基本的に、薬を処方しません。

Question日常生活の注意点は。

Answer緑黄色野菜や青魚を中心とした食生活を心がけるのは良いと思います。強い直射日光に当たると変性の進行に影響があるとも考えられますが、あまり神経質にならず、子どもの場合、野外での遊びや海水浴などを制限する必要はありません。特別に扱わず、心の成長を優先させてあげてほしいです。

Question期待される新治療は。

Answer  理化学研究所などが、iPS細胞から視細胞をつくって移植する臨床研究の開始を検討しています。欧米では人工網膜として光を感じるチップを埋め込む手術が行われていて、国内でも臨床研究が準備中です。ほかに、遺伝子治療も研究されています。

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