86歳の男性。昨夏ごろから両足のふくらはぎに重さを感じ、歩いていて倒れそうになることもあります。椅子に座っているときや寝ているときには違和感は感じません。首のMRI検査で、脊柱(せき・ちゅう)管が狭くなっていると言われました。治療法はありますか。(長崎県・A)

 【答える人】 和田簡一郎(わだ・かんいちろう)さん 弘前大学大学院医学研究科整形外科学講座講師=青森県弘前市

Questionどんな病気ですか。

Answer症状やMRIの検査結果から考えられる病気の一つが頚髄(けいずい)症です。骨や椎間板(ついかんばん)、靱帯(じんたい)の加齢変化により神経の通り道が狭くなり、脊髄(せきずい)が圧迫されてしまうことが原因とみられます。一般に脊柱管狭窄(きょうさく)症と呼ばれるものです。首と腰の間、胸の高さの背骨で脊髄が圧迫される胸髄(きょうずい)症、ひざから下の血流障害の可能性も否定できません。

Questionどう診断しますか。

AnswerMRI検査で脊髄の圧迫変形、脊髄内の信号変化があり、頚髄症に特徴的な手足の筋力低下や感覚障害などが認められれば診断できます。胸髄症も同じく、MRI検査で脊髄圧迫がわかれば診断の手がかりとなります。ひざから下の血流障害は血流の検査で診断できます。

Question治療法は。

Answer歩行障害の程度が軽ければ、筋肉の緊張を和らげるのみ薬、リハビリテーション、首を固定する装具のカラーを用いた安静によって運動の機能を維持します。杖が必要なほど歩行障害が重く、箸の使用やボタンの着脱が難しかったり、排尿障害があったりする場合は、手術で脊髄の圧迫を軽減させる必要が出てきます。手術法は複数あり、患者さんの全身状態に合った方法を選びます。

Question日常注意すべき点は。

Answer頚髄症であれば、転倒に注意することが重要です。転んで頭や首をぶつけると、脊髄損傷という重症なまひを生じて、車椅子が必要になったり、寝たきりになったりする恐れがあります。必要に応じて、歩行の際は杖や歩行器を使用しましょう。脊髄の圧迫が強くなる場合があるので、首を後ろに大きくそらす動作は控えてください。

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