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山登り禁止、大事に育つ 伊奈輝三(2)

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:3歳の伊奈輝三(左)。隣は仲の良かった二つ年上の姉延子=1940年、本人提供拡大3歳の伊奈輝三(左)。隣は仲の良かった二つ年上の姉延子=1940年、本人提供

【愛知(ここ)に人あり】会社は社員の生活舞台 伊奈輝三(2)

 名前の通り、伊奈輝三(てるぞう)(75)は三男だ。そして、「長男」でもあった。

 常滑で1937年、伊奈製陶創業者の長三郎と嘉代の間に生まれた。すでに長男は生後1カ月で、次男は3歳で、この世を去っていた。ほかに姉が4人。末っ子は、一人息子として大事に育てられた。

 山登り禁止。海は水温が20度になるまで入るべからず。母は、危ないと思うことがあれば、輝三を遠ざけた。

 父はもともと6代目の窯元で、伊奈製陶を興して土管やタイル事業を強化し、財を築く。家にはお手伝いさんが4人いて、輝三を「てーちゃま」と呼んで世話をした。

 二つ上の姉延子と一番仲が良かった。「おとなしい子だった。ままごとで遊んでいました」。誕生日が近く、2人一緒に祝うのが常だった。

 終戦後の50年、その姉は中学からの帰り道、夕立にあって肺炎で亡くなった。

 父と母は、伊奈を怒ったことがない。まして、手をあげたこともなかった。

 学校では成績優秀、体育は大の苦手。高校進学の際、父が常滑町長(当時)をしていたこともあり、県立常滑高校に通った。

 父から「跡を継げ」と言われたことはない。仕事の話もほとんど聞いたことがない。それでも、いずれ伊奈製陶を継ぐだろうと感じていた。

 大学は、経営者が多く輩出する慶応に進むべきか父に相談したが、返事は「どこでも関係ないよ」。結局、父が学んだ東京工業大の経営工学科を選び、56年に上京した。

 同級生の森田哲雄(75)は「仲間内で議論が熱くなってくると仲裁に入るタイプ。強く自己主張することはなく、人の話をよく聞いてくれた」と当時の伊奈を評する。

 「悩みやストレスは感じないんですよ。大きな失敗をしてないので、後悔することもない」。伊奈は今、自分について、こう語る。伊奈製陶に入って部下を怒鳴りつけたことはない。おっとりした性格が、後に経営トップとして組織をまとめる力になった。

 大学4年だった59年9月、伊勢湾台風が常滑を襲った。「半田市に被害」。東京でラジオを聞いた伊奈は、列車で故郷に駆けつけた。記録のため、とカメラを持って行ったが、シャッターは切れなかった。=敬称略

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