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2012年03月21日
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ひと模様

【この人に聞きたい】

鈴木直樹さん(60)

写真:刈谷工業高校 鈴木直樹校長 拡大刈谷工業高校 鈴木直樹校長

●公立高初の民間人校長、今月で退職
【開かれた学校掲げ 人づくり】

 県立刈谷工業高校の鈴木直樹校長(60)が、3月末で定年退職する。県内の公立高校で初の民間人校長として採用されて8年間。「有言不実行」やトヨタの生産方式の「ジャスト・イン・タイム」の考え方など、教育現場でさまざまな挑戦をしてきた。

 ――民間企業の管理職から校長になったきっかけは。
 人事の採用担当をしていた経験から、高校や大学へ行くことも多かった。企業での経験から「ものづくり」の基礎は「人づくり」にある。自分の中では、「人づくり」に携わってみたいと思っていたのです。そんな時、民間人校長の公募があり、採用要件に合っていたので挑戦しました。

 ――19年ぶりに教育現場へ復帰した印象は。
 目標を持ち、特技を生かそうと生徒に接している先生が多いことに驚きました。せっかく頑張っていても、学校の外に伝える努力が不足していました。地域に開かれた学校にするため、自分が先頭に立ち、閉鎖的な雰囲気を変えることから始めました。

 ――どんなことを心がけて指導に当たりましたか。
 鶴城丘高校は農業、工業、商業、普通科(の教育機能)を持つ全国唯一の総合学科の高校でした。当時、世間の評判が低かった。就任から3カ月間、「日本一の高校に生まれ変わりました」と叫び続けた。いわゆる「こだま効果」。周囲の目にも変化が出て、生徒たちが自信を持つようになりました。

 ――先生の意識改革として「有言不実行」を実践したそうですが。
 有言実行が一番よいのでしょうが、不言実行には不言不実行も含まれ、何もしないということになる。それなら、まずは言葉にすることが大切だと考えました。1度しかない人生なので何かやって失敗した方が楽しいじゃないですか。その責任は校長が取ればいいんです。

 ――トヨタ式の「ジャスト・イン・タイム」を教育現場に採り入れたそうですね。
 勉強やスポーツでも必要な時に、必要な量の練習や情報を与えることが大切です。それは先生のセンスが試されます。小さな目標を一つずつクリアできれば、また次につながります。

 ――8年間を振り返って思うことは。
 苦労したことは一つもありませんでした。生徒一人ひとりが素晴らしい原石であり、これを見つけて磨くことが教育の原点だと感じた。最近の若者は能力が低下していると言われますが、まったくそんなことはない。「問題がある」と言うことのほうが問題だと思います。

 ――4月からは刈谷市の副市長に就任されます。
 民間企業と教育現場で培った経験を生かし、人のためになるかどうかを考えていきたいですね。(聞き手・松永佳伸)

〈鈴木直樹〉
 刈谷市出身。名古屋工業大学大学院でセラミックスを研究。県立名南工業高校で8年間、教員をした後、豊田自動織機に入社。新材料の研究開発や人事課長、製造課長などを歴任。在職中、同大学院博士課程社会人コースで3年間学ぶ。2004年に県立鶴城丘高校の初代校長に就任。08年から現職。サッカー公式審判資格や英語検定1級を持つ。

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