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ぐるり東海(2)【日進通信】

マスプロ美術館 知る人ぞ知る一級品

写真:「東京名所之内銀座通煉瓦鉄道馬車往復図」 拡大「東京名所之内銀座通煉瓦鉄道馬車往復図」

写真:「横浜波止場ヨリ海岸通異人館之真図」 拡大「横浜波止場ヨリ海岸通異人館之真図」

写真:平安末期に南宋から贈られたとする「馬蝗絆」=いずれもマスプロ美術館提供 拡大平安末期に南宋から贈られたとする「馬蝗絆」=いずれもマスプロ美術館提供

 「見え過ぎちゃって困るの、見え過ぎちゃって困るの〜」。50代以上の年齢層にはおなじみのテレビCMで知られるテレビ受信機器最大手のマスプロ電工。愛知県日進市浅田町の本社ビル内には、美術館が併設されている。

 その名も「マスプロ美術館」。一日に数人しか訪れない日もある「知る人ぞ知る」存在だが、収蔵品は一級品だ。特に見応えがあるのは浮世絵。約4千点の収蔵品から600点を常設展示する。歌麿や写楽もあるが、幕末から文明開化の時代の東京・横浜の様子を生き生きと描いた絵が興味深い。東京に開通したばかりの鉄道馬車や当時の銀座の様子を描いた絵は、歴史の教科書にも登場する。

 約80点ある陶磁器の目玉は、平安末期に南宋から平重盛に贈られたとする青磁の茶わん。室町時代に足利義政の手に移った際にひびが入り、鉄のかすがいが打たれた。かすがいをイナゴ(馬蝗)に見立て、「馬蝗絆(ばこうはん)」と呼ばれる。10月には東京国立博物館に貸し出され、展示される予定だ。

 美術館を造ったのは、創業者の端山(はしやま)孝氏。1975年、自ら収集した作品を展示する美術館を本社内に開館。館長を務めた。2007年に76歳で亡くなったが、美術館担当で端山氏にも仕えた同社営業企画グループの高橋千衣(ちえ)さん(50)によると、何ごとにも徹底してのめり込むタイプで、浮世絵に付けられた解説も端山氏の執筆だという。

 高橋さんは「創業者のこだわりが詰まった美術館。多くの方に楽しんでほしい」と呼びかける。 (川村真貴子)

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