メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

08月19日朝日新聞デジタル朝刊記事一覧へ(朝5時更新)

新着記事一覧へ

このエントリーをはてなブックマークに追加
mixiチェック

ぐるり東海(3)【西尾旧幡豆郡通信】

夢のハズフォルニアへ

写真:旧幡豆町の海岸に立つ鈴木達朗さん(右)ら。Tシャツにも「ハズフォルニア」のロゴ=愛知県西尾市寺部町 拡大旧幡豆町の海岸に立つ鈴木達朗さん(右)ら。Tシャツにも「ハズフォルニア」のロゴ=愛知県西尾市寺部町

写真:鈴木さんが住む改装した古民家。心地よい空間が広がる=愛知県西尾市西幡豆町 拡大鈴木さんが住む改装した古民家。心地よい空間が広がる=愛知県西尾市西幡豆町

写真: 拡大

 ハズフォルニア――。三河湾と三ケ根山(さんがねさん)に挟まれた愛知県西尾市の旧幡豆(はず)町地域をそう呼び、SNSで発信する若者たちがいる。明るい海が広がる豊かな自然にひかれて移住した若者たちに会おうと、海辺の町に向かった。

●海辺の暮らしSNS発信

 名古屋市から車で1時間余り、三河湾に近い田舎道で迷っていると、「おーい、こっちです」。鈴木達朗さん(27)が古民家の2階から呼びかけてくれた。築80年ほどだというが、中に入って驚いた。

 木目がきれいなフローリングの床。天井には梁(はり)が残ったままで、テレビは無い。おしゃれなカフェか美容室のような室内は、友人が改装したという。海から心地よい風が入り込む。

 鈴木さんはこの地に移り住んで4年。小さな庭では、パートナーと2人でナスや大根など野菜を育てる。「安心して食べられるし、新鮮だからおいしい」

 隣接する同県岡崎市の出身。高校卒業後、アルバイトでためたお金でカナダに渡り、フルーツ狩りの仕事に就いた。リンゴの木の下でテントを張り、収穫が終わると次の農園に向かう日々。その後、欧州など8カ国を回り、20歳で帰国。合併前の旧幡豆町のサーフショップなどで働き始めたことがきっかけで、幼い頃に潮干狩りで訪れた三河湾が再び身近になった。「毎朝、釣れたばかりの魚をおばあちゃんが軽トラックで売りに来る。昔ながらの生活が残っていて感動した」。定住を決めた。

 サーフショップでは、シーカヤックなどマリンスポーツのインストラクターを経験。大好きな海の近くで、穏やかな暮らしを満喫する。

 「僕たちは生まれた時から周りがモノであふれているから、そこに価値観を見いだせない」と鈴木さん。「無駄を省いたシンプルなライフスタイルを提案したい」。今後、改装した別の古民家を使って「民泊」を展開し、幡豆の良さを知ってもらいたいと話す。

 いま、周りには鈴木さんの友人たちや、同じように土地にひかれた若者らが集う。鈴木さんによると、20〜30代中心に約40人。職業は美容師やプログラマーなどさまざまで、緩くつながっている。10年前に移った宮本貴史さん(39)は、鈴木さん宅の裏で糀(こうじ)店を営む。「若い世代でワイワイできれば楽しいと思っていた。その夢が実現しそう」

 1年ほど前の仲間との飲み会で、「合併で幡豆の名が消えていくのは寂しいよね」と話題になった。「面白いネーミングをしてみよう」。飲んだ勢いのまま決まったのが、旧幡豆町の名と米・カリフォルニアをもじった「ハズフォルニア」。旧幡豆町地域を勝手にそう名付け、フェイスブックなどで発信し、人も呼び込みたい。「多くの人に幡豆を知ってほしい」と願う。

 「ここはカリフォルニアほどリゾートじゃないけど、響きはキャッチーでしょ」と鈴木さん。「『ハズフォルニアから来ました』というと、クスッと笑ってもらえる」

 ようこそ! ハズフォルニアへ!

●「ワイキキ」ビーチも

 旧幡豆郡3町には、ほかにも海水浴やオーシャンビューが楽しめるスポットがある。

 有名なのが、旧吉良(きら)町の「吉良ワイキキビーチ」。2006年に当時の吉良町長らがハワイを訪れ、「吉良を付けるならワイキキと名乗ってもよい」と許諾を受けたという。環境省の「日本の水浴場88選」に選ばれた宮崎と恵比寿両海水浴場からなり、海岸の長さは計880メートル。西尾市観光協会によると、年間約12万人が訪れるという。

 毎年8月には「ハワイアンフェスティバル」を開催。県内外の愛好家らのフラダンス発表会やハワイから招いたプロダンサーによるダンスショーがある。

 また、海沿いの景色を生かしたカフェも点在し、若者やカップルの人気を集めている。

【担当します 北上田 剛(きたうえだ・ごう)記者】

 身体障害者の介護ヘルパーなどを経験した後、2007年に入社。岡山総局や大阪社会部を経て、13年から西尾市も管内とする岡崎支局を担当。今回、旧幡豆郡にはおいしい食べ物がたくさんあると再認識した。

PR情報

ここから広告です

名古屋報道センターから

身のまわりで起きたニュースや、記事へのご意見、ご感想もお寄せ下さい。メールはこちらから

朝日新聞 名古屋編集局 公式ツイッター

ここから広告です

広告終わり

ここから広告です

広告終わり

ここから広告です

広告終わり

注目コンテンツ