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ぐるり東海(6)【郡道界隈通信】

「正座革命」この天国から

写真:ミシンに向かい「正座革命」を作る5人の婦人。真ん中手前がここで自転車店を開いていた伊藤ふきえさん=名古屋市昭和区滝子町 拡大ミシンに向かい「正座革命」を作る5人の婦人。真ん中手前がここで自転車店を開いていた伊藤ふきえさん=名古屋市昭和区滝子町

写真:「正座革命」 拡大「正座革命」

写真: 拡大

●イトーサイクル

 足をしびれさせないで楽に座れるように考案された携帯正座椅子「正座革命」がネット通販サイト、アマゾンで「ベストセラー」の札がついて売れている。4年間で1万5千個ほど販売された。名古屋市昭和区滝子町の郡道沿いにある「イトーサイクル」の看板を掲げる工房が作っている。

 看板を見て入ると、5人のご婦人がにぎやかに話しながらミシンに向かって手を動かしていた。「自転車店じゃないんですか」と尋ねると「ここはババアの天国だよ」と返ってきた。

 板張りの床は自転車店当時のまま。壁には名残のように自転車が1台かけてある。工房の主、伊藤ふきえさん(73)は自転車の販売や修理を5年前にやめた。300メートルほどの近所に自転車量販店ができた。自転車で転び左足にしびれが残ったのもきっかけだった。

 夫が難病で亡くなって30年近く、伊藤さんは女手一つで店を続けた。合間に発明工夫の勉強を続け、自転車の古タイヤを使った肩たたき棒「たんとんポール」が東急ハンズで売れるようになっていた。

 東日本大震災の後、この肩たたき棒を150本作り避難所に送った。ボランティアとして集まった太極拳仲間の近所の婦人たちが、今も工房で「正座革命」を作っている。伊藤さんのほかは69歳から76歳までの4人。郡道で呉服店を開いていた婦人や、息子夫婦と今もクリーニング店を続ける婦人たちだ。

 「正座革命」は、ソファ用の生地で合板を包み三つに折りたたんである。逆三角形にして面ファスナーで留め、両足の間に挟んで座面に尻を乗せる。意匠登録をしている。生地は3色あり、普通サイズで2480円。

 考案のきっかけは「自転車組合の宴会や会合に出ても、男性のようにあぐらをかくわけにいかなかったから」と伊藤さん。

 工房の労働時間は1日に2時間。月曜から土曜の午後3時に集まり、途中でお茶の時間も取る。「これで年金と同額くらいのお小遣いになる」「仕事じゃなくておしゃべりしているようなものだわ」「これもクソババアの底力だわ」。取材に訪れた日、手よりも口の方が活発に動いた。

 滝子交差点に近く、付近は昭和30年代、「滝子銀座」と呼ばれた。「私らには今が天国だわ」。在庫切れの追加催促にも泰然自若の様子だった。(六郷孝也)

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