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ぐるり東海(6)【常滑通信】

潮湯治 にぎわった街

写真:大野海水浴場の湧き水付近を示す加藤勝彦さん。かつては一帯に松林が続いていた=愛知県常滑市大野町1丁目 拡大大野海水浴場の湧き水付近を示す加藤勝彦さん。かつては一帯に松林が続いていた=愛知県常滑市大野町1丁目

写真: 拡大

●大野海水浴場

 「世界最古の大野海水浴場」。愛知県常滑市で最も名古屋寄りにある名鉄大野町駅の前に、古そうな看板が立っている。伊勢湾に面した大野町は、回船や醸造などの商業のまちとして発展。かつては知多半島有数の繁栄を誇った。

 東隣の同県半田市出身の童話作家・新美南吉は、晩年の作「おじいさんのランプ」(1942年)で、周辺で最初に電気が通った文明の進んだまちとして大野を描いた。「12年2月に、いまの名鉄常滑線が大野まで開通した時、鉄道会社が沿線に電気の供給を始めた史実に基づいている」と新美南吉記念館の遠山光嗣学芸員(46)は話す。

 大野海岸は古くから、海に入って病気を治す潮湯治が盛んだった。29年刊行の大野町史によると、平安時代後期の1162年に方丈記で知られる歌人・鴨長明が伊勢から訪れ、「生魚の御あへもきよし酒もよし大野のゆあみ日数かさねむ」と詠んだとされるのが「世界最古」の根拠だ。

 「ここは遠浅、波が静か、湧き水という潮湯治に良い条件がそろっていた。沖には木曽三川の水が流れ込み、魚が集まる良い漁場もあった」と海岸沿いで明治以来の料理旅館・恩波楼(おんぱろう)を営む加藤勝彦さん(75)は話す。いまも海水浴場に水が湧く場所がある。

 「子どものころ、砂浜には松林が何キロも続いていて、素晴らしい白砂青松の風景だった」。毎夏、牛車にスイカを積んだ農家の人たちが、半田市方面からも団体で訪れてにぎわった。「近くの松に牛をつないで、私は『モー君』と名付けて水をやって世話をしていた」と懐かしむ。

 ただ、町史にある世界最古の根拠には疑問も指摘する。鴨長明は1155年ごろの生まれとされ、大野で歌を詠んだとされるのが7歳ごろの計算になるからだ。「その年で酒の歌は詠まない。もっと年を重ねてから来たはずだ」と想像。「これからも、夢やロマンを大事にしていきたい」と歴史に思いをはせている。(豊平森)

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