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勝算あり【ブランド、その先へ】

NAGAE(東京)

写真:職人による皿の絵付けを見守る長江一弥さん(左)=愛知県瀬戸市、上田潤撮影 拡大職人による皿の絵付けを見守る長江一弥さん(左)=愛知県瀬戸市、上田潤撮影

写真:テトリスとコラボした笠間焼の豆皿と竹重箱=愛知県瀬戸市、上田潤撮影 拡大テトリスとコラボした笠間焼の豆皿と竹重箱=愛知県瀬戸市、上田潤撮影

●工芸×テトリス 海外発信

 「テトリスにはゲームだけじゃない深い世界がある。日本の工芸品とあわせることで、新しい成果ができるのではないかと思った」

 5月末、東京都内で開かれた記者会見で長江一弥さん(50)は力を込めた。世界的に知られるコンピューターゲーム「テトリス」と日本の伝統工芸品を組み合わせて製品化する試みのお披露目会。自身が中心になって準備してきた。

 長江さんは「瀬戸物」の地、愛知県瀬戸市で製陶業を営む家に育った。いったんは東京へ出たが、バブル崩壊後の20代半ばのとき、父親の病気を機に後を継いだ。

●脱問屋まかせ

 焼き物業界は分業が進み、陶磁器の成型をする業者、窯で焼く業者、絵や柄をつける業者、などと細かくわかれていた。個々の技術は高いが、受注は問屋まかせ。言われた仕事をこなすばかりで新しい提案はできずにいた。「大量生産ができた時代はよかったかもしれないが、このままではじり貧になる。これじゃだめだ」

 流通の仕組みに疑問を持った長江さんは、自ら東京に行ってホテルや飲食店をまわってみた。見いだした活路はオーダーメイド。客が求めるものを問屋を介さずにいち早くつくる。地元業者のまとめ役になり、難しい注文もそれぞれを得意分野とする専門家に振り分けることで応えていった。

 評判は広まり、5年ほど前からは瀬戸以外、焼き物以外の伝統工芸からも知恵を求められるようになった。2016年には有田焼(佐賀県)創業400年行事に携わるなど、いまでは各地のブランド戦略に手を貸している。

 テトリスとのコラボレーション企画は米国にあるテトリスの権利会社から持ち込まれた。ゲームの中で使う7種類のブロックはデザインとしても注目を集め、海外ではユニークな家具のデザインになっている。日本では商品をつくるにあたり、各地の伝統工芸とつながりがある長江さんに目がつけられた。

●7産地が協力

 「日本の工芸品を世界に広げるチャンス」。全国の仲間たちに声をかけ、岐阜県・飛騨の木工や京都の竹細工などこれまでに7産地で計80の製品ができた。仕切りがテトリスの形になった重箱や、立体で積み上げる木製パズルなど、どれも工夫が凝らされている。

 瀬戸市では、柄にテトリス模様を採り入れたカップと丸皿をつくった。絵付けを担当したイトー工芸の伊藤照代さん(55)は、「長江さんは難しい注文ばかり。でも自分にできないことにいつも挑戦させてくれるから絶対に断らない」と話す。

 アルファベットにした社名の「NAGAE」には海外でも通用するようにとの願いが込められている。今回のテトリス商品は、今後海外でも販売される予定だ。

 「これからの伝統工芸は新たな価値を生み出す必要がある。他の産地も巻き込んで『メイド・イン・ジャパン・オールスターズ』で世界へ訴えかけていきたい」(初見翔)

■NAGAE(東京)

 長江一弥さんの曽祖父、兼松さんが1910年に愛知県瀬戸市で「長江成型所」を創業。当時は最先端技術だった、型を使って陶磁器をつくる方法を広めた。92年、一弥さんが5代目に就任。ブランド戦略に特化するため2006年に社名を「NAGAE」とし、東京へ移った。従業員8人。

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