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先端人

名古屋市立大小鷹研理准教授 認知心理学

写真:小鷹研理・名古屋市立大准教授 拡大小鷹研理・名古屋市立大准教授

●体の錯覚 科学で作る

 鏡に映った自分の手。その裏には、もう一方の手が隠れている。鏡を動かすと、裏で静止した手も動くような気がしてくる。鏡の像を脳が自分の手と取り違えてしまう錯覚効果だ。こうした「体の錯覚」を考案し、実験で検証を重ね、人間が現実世界をどう捉えているかを探究している。

 2017年には、ゴーグル型のVR(仮想現実)端末をかぶり、自分の腕がゴムのように長く伸びる感覚を体験できる装置を開発。独自性が高く評価され、アジア最大規模のVR技術などの展示会に出品した。

 情報学と芸術の2分野で修士号を取得した珍しい経歴を持つ。体の錯覚をテーマに研究を始めたのは5年前。授業の準備を進めるうちに、「科学的に『変な感覚』を作り出せるのが面白く、ほれ込んだ」。

 人間は視覚や触覚、聴覚などを巻き込み、同期させつつ現実を把握している。その感覚が錯覚で壊れると、自分が自分であることが怪しくなるという。「体験者は『気持ち悪い』『ぞわぞわする』と言葉にすることが多い。不気味な感覚が起きるかが、体の深いところに錯覚が届いたかの一つのバロメーター」

 学会での研究発表に加え、一般向けに錯覚を体験できるワークショップや展示を学外で開催するなど活動は幅広い。独自に考案した錯覚も蓄積されつつある。「誰でも簡単に体の錯覚を味わえるアイデア集として本にまとめたい」(西川迅)

■小鷹研理さん(39)

 茨城県出身。2012年から名古屋市立大准教授。スマホで距離計測ができるようになり、ランニングが趣味に。研究の合間などに大学の周り、週末に近所を走る。昨年の年間走行距離は1800キロ。

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